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半導体製造装置投資額が回復:

2014年には24%上昇、2015年には記録更新の見込み

SEMI市場調査統計グループ クリスチャン・グレゴール・ディーゼルドルフ

IMF(国際通貨基金)および多くの市場調査会社の予測によれば、2014年と2015年は、過去数年間に匹敵するか、さらに上回って成長する年になることが期待されます。数年間の景気減速の後、欧州でさえ2014年と2015年にGDPのプラス成長が見込まれており、回復の強まりを示しています。

歴史的に、GDP、半導体の収益、半導体の設備投資には相関性があります。昨年は例外的に、収益が前年比約6%増でありながら、設備投資は-3~-4%減となりました。現時点の収益予測は、2014年に8%、2015年に5%の増加となっています。

SEMIのデータは、半導体設備投資(ファブレスおよび後工程を除く)は、2年間の減少の後に、2年間にわたり上昇することを示しています。設備投資を据え置く企業も一部にありますが、他の企業は2014年に設備投資を8~10%増やす計画を立てていると見込まれます。2015年にはさらに6~8%増加し、半導体業界は、2007~2011年の記録に近づく可能性があります。

半導体製造装置投資額:2014年には24%増加、2015年には記録更新の見込み

2014年5月発行のWorld Fab Forecastにおいて、SEMIは、200以上の主要なプロジェクトを対象に半導体製造装置の新規購入またはアップグレードへの投資額を調査し、同時に、新規ファブ建設または既存ファブ改装のプロジェクトも調査しています。

2月に前回の四半期レポートを発行してから現在までに、SEMIのデータベースに対して265の更新が行われました。現在、SEMIは、2014年の前工程ファブの装置投資額(新品、中古、内製)が約357億ドルへと24%増加し、2015年には約395億ドルへと11%増加すると予測しています。2015年の装置投資額は、2011年の記録を更新する可能性があります(図1を参照)。

2014年の装置投資額上位3地域は、103億ドルを超える台湾、68億ドルを超えるアメリカ州、および63億ドルを超える韓国となる見込みです。2015年には、これらの地域が引き続き上位を占めます(台湾が110億ドル以上、韓国が80億ドル以上、アメリカ州が約70億ドル)。

欧州/中東地域は、2014年の装置投資額予測では6番目ですが、前年比で約79%増加という最も力強い成長率を示すでしょう。同地域は、2015年も約20%増加し、急速に成長を続けるでしょう。

最先端の装置へのアップグレードの比率が生産能力を左右する

世界の生産能力の増加量は、2014年と2015年のどちらも極めて低く、SEMIのデータでは、今後4年間は変化しないことが示されています。

微細化、製品種別、ファブの古さに応じて、スペース効率が、これまで以上に生産能力を左右するようになりました。プロセスステップの増加、多重パターニングなど、最先端のノードの生産はますます複雑になり、ファブの面積当たりの製造量が減るため、ファブの生産能力の減少が生じるのです。2013年の世界の生産能力の増加は2%未満であり、2014年の増加もわずか2.5%、2015年も3%と予測されています。

SEMIのデータでは、ファウンドリの生産能力は、今後も2012年以降一定のペースである年率8~10%の成長を続け、また、2014年のフラッシュメモリの生産能力は最大3~4%の増加することが予測されます。DRAMの装置投資額は、多くのファブが最先端プロセスにアップグレードされるため、2014年には40%増加する見込みです。ところが、DRAMの生産能力は、横ばいか、あるいは-2%の減少もありうると予想されています。SEMIのレポートは、MPU、ロジック、アナログ混在信号、パワー、ディスクリート、MEMS、LED、オプトといった、その他の製品セグメントの生産能力変動も対象にしています。

SEMI World Fab Forecastレポートは、2014年末までに、26の量産ファブで、14 nm~16 nmのテクノロジノードが使用されると予測しています。そのうち2つは3D-NANDのファブです。2015年末には、14 nm~16 nmプロセスノードを使用する量産ファブは33に増加し、そのうち11が3D-NANDのファブでしょう。

新しいファブは減りますが、それで足りるのでしょうか?

SEMIのデータでは、2013年は、半導体前工程ファブ建設プロジェクトの投資額(新規建設および既存工場の改装)が90億ドルを超え、史上最高を記録しました。2014年と2015年に発生する建設プロジェクトは減少しますが、それでも、欧州/中東、日本、米国、台湾などの地域で、重要な新しいファブがいくつか建設中、あるいは計画段階にあります。2014年と2015年には、30のファブ(ディスクリートとLEDを含む)で量産が開始される予定です。

ファウンドリを除く、既存または現在計画中のIC量産ファブは、2018年までに最大生産能力に達する見通しです。生産能力の高い450 mmファブの近い将来での見込みが減少したこと、また最先端ノードに設備をアップグレードするための生産能力の減少を考慮すると、半導体業界は、需要を満たすためにさらに300 mmファブを増やす必要があります。これらの複雑なファブを新しく建設し装置を整えるには約1年半を要することから、新しい300 mmファブ建設計画を来年までに開始する必要があると思われます。

SEMI World Fab Forecastレポート

SEMI World Fab Forecastは、ボトムアップ手法を用いて、各ファブの設備投資、生産能力、テクノロジ、および製品に関する概要と詳細分析を提供します。さらに、データベースでは18カ月先までの四半期ごとの予測も提供します。レポートが提供するこうしたデータは、半導体製造の2014年~2015年を見通し、建設プロジェクト、ファブ設備、テクノロジレベル、および製品に関する設備投資の詳細を把握するためにも有益です。

SEMIの世界半導体製造装置市場統計(WWSEMS)のデータは、前工程および後工程の新品の製造装置のみを調査対象としたものです。SEMI World Fab Forecastおよび関連するファブデータベースレポートは、前工程に限定した、新品、中古、または内製の装置を含むすべての製造装置を調査対象としたものです。SEMIファブデータベースの詳細については、www.semi.org/MarketInfo/FabDatabaseおよびwww.youtube.com/user/SEMImktstatsをご覧ください。

(初出 SEMI Global Update 2014年6月号)