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SEMIマーケットフォーラム報告: 半導体産業の未来は明るく輝く!

SEMI Market Forum Photo第38回SEMICON Japanにおいて、昨年12月4日に開催されたSEMIマーケットフォーラムの冒頭で、司会のSEMIグローバル副社長 ジョナサン・デービスは、「半導体産業は大きく変化をし、38年前からはもちろん、10年前からも、5年前からも様変わりしました。技術の複雑性は劇的に変化し、業界は驚異的な進歩を遂げたのです」と述べました。そして、今回のSEMICON Japanが大きく取り上げたIoTに言及し、「その新たな可能性が半導体産業の輝く未来を約束しているのです」とコメントしました。フォーラムでの講演とパネルディスカッションを通じ、4人のパネリストは会場を埋めた300人の参加者と、産業の成長、そしてIoTの影響について、その考えを共有しました。本稿はその講演の要旨をまとめたものです。

規制がIoTのマーケットをつくる

Akira Minamikawa PhotoIHSグローバルの首席アナリスト、南川明氏は、講演の冒頭で「なぜIoTが必要とされるのか」と疑問をなげかけました。人口の増大、先進国における高齢化、そして都市への集中という3つのメガトレンドによって引き起こされる、エネルギー、水、食料、交通、医療、環境の諸問題を解決するためにIoTが必要なのだ、と南川氏は続けます。こうした問題に対処するための各国政府による規制強化が、IoTの市場を生み出すのです。自動車のCO2排出規制は世界のあらゆる地域で厳しさを増しています。日本では建築物の省エネ規制の適合義務化が2016年からはじまります。こうした規制がIoTや半導体産業が支えるアプリケーションのマーケットの成長を促進するのです。

こうした市場が成長すると、半導体デバイスに対する需要も変化します。南川氏は、アナログ、パワー、ディスクリート、オプト、センサーといった分野が半導体市場全体の中でシェアを増やし、一方でメモリー、マイクロ、ロジックのシェアが下がるとの見通しを示しました。その結果、半導体メーカーのランキングにも変化があるだろうと、南川氏は予想します。

China_IC_Chart

IoTは一時のはやりではないが、成長にはセキュリティ問題の解決が必要

Jim Feldhan PhotoSEMCO Research社長のジム・フェルドハン氏は、IoTをドライブする市場力学についての講演で、まず、IoTが創出するさまざまなマーケットを取り上げました。住宅分野だけでも、全世界で230億台もの住宅電気機器が今後10年間のうちにインターネットに接続されるとフェルドハン氏は予測します。半導体業界から見るなら、これは1600億個の半導体デバイスがこの分野で消費されることを意味します。インターネット接続された住宅は、SEMICOの分析によると、全IoT有効市場(TAM)の約20%を占めます。

もうひとつの巨大市場がヘルスケアであり、「一時のはやりではない」とフェルドハン氏は語りました。全世界には8億6千万人もの慢性疾患患者がおり、これは米国の人口の3倍です。2050年までには人口の21%が65歳以上となります。米国における2012年のヘルスケア支出を見ると、全体の約半分が病院外で支出されていますが、この部分が「ホームヘルスケア機器の開発にとって、次の10年間にわたって大きなチャンス」をもたらすでしょう。

IoTの成長にとって最も大切なのは、もちろんキラーアプリケーションですが、セキュリティ問題も重要だとフェルドハン氏は分析します。「消費者が、自分のデバイスを安心してインターネットに接続でき、セキュリティが危険にさらされないことが必要です」。

Security Photot Image

2014年は特にDRAMにとって最高の年

Risto Puhakka PhotoVLSI Research副社長のリスト・プハッカ氏は、半導体市場の現状と展望について洞察しました。まず、2014年は半導体メーカーにとって素晴らしい年となったと語り、「当社がトラッキングしたデータは、週単位でも、月単位でも、四半期単位でも、ビジネスが非常に順調であることを示している」と述べました。しかし、電子機器の価格はあまり良い状況ではないとも警告しました。価格は、業界の問題の兆候に対する最も感度の高い指標であるとプハッカ氏は言います。価格の下落傾向は、家電、ノートパソコン、タブレットの分野で観測されており、一方でスマートフォンは上昇傾向にあります。また、2014年がDRAMにとって、またもや熱い年となったと述べました。生産能力が抑制されたことによる価格の堅調な推移によって、DRAMの売上は過去2年にわたりFlashを上回っています。また、モバイル/特殊DRAMが一般的なDRAMを上回っており、この分野では過去2年にわたりMicron/Elpidaが大きな収益をあげているとも述べました。

プハッカ氏は、VSLI Rearchの予測が、半導体製造装置、IC、電子機器について、2015年は7~8%の成長を示していることを述べました。また、ICの在庫量については、トータルの在庫水準は上昇傾向だが、出荷額に対する在庫額の比率を見ると依然として低水準にあると判断されるとの見解です。半導体工場の稼働率については、2013年と比較して大幅に上昇しており、VLSI Researchが、生産能力の不足という状況が、特にメモリ、DRAMで発生したケースもあると述べました。

VLSI Chart

メモリとファウンドリが投資をけん引 ? ファウンドリは200mmへの投資も拡大

Dr. Dan Tracy PhotoSEMIの市場調査統計部門の責任者であるダン・トレーシーは、半導体製造装置と材料の各市場の展望を講演しました。トレーシーは、前工程ファブ装置の投資額と前工程生産能力の増加の関係について言及し、業界が300mmの量産化を進めていた、2009年の世界不況以前の時期には、両者に強い相関がみられたと語りました。業界は不況から上手に回復をとげ、年間のファブ装置支出額は年間300億~400億ドルの水準となりました。しかし、年間の生産能力増加量は、過去に経験した生産能力の過剰投資を回避するため、2014年、2015年とも2~3%とずっと低水準で推移しています。これはメモリ分野における価格の安定に貢献しています。メモリとファウンドリは、現在の業界における製造装置の投資をけん引する重要な分野となっています。トレーシーはまた、発表まもないSEMIの2014年末製造装置市場予測を示し、製造装置市場が2014年に約380億ドルとなり、2015年には約15%の成長をして437億ドルに達すると語りました。予測の詳細についてはプレスリリースを参照ください。

トレーシーは200mmファブ生産能力における変化に注目を求めました。200mmファブ生産能力の製品カテゴリ別比率を2005年と2014年とで比較すると、ファウンドリのシェアが30%から47%へ拡大し、200mm生産能力全体の半分近くを占めています。その他に200mm生産能力のシェアを増やしているカテゴリは、ディスクリート、アナログ、MEMS他となり、同じ期間に12%から28%へと拡大しています。

最後に、トレーシーはウェーハ―の口径別の成長に言及し、300mmウェーハの出荷面積が2014年に前年比10%成長となりなか、200mmはこの口径でのファブ装置の活発投資に呼応して、3%の成長をする見込みです。

Dan Tracy's Slide

SEMIは世界各地のSEMICONショーにおいて、マーケット情報の提供をしています。直近のマーケットブリーフィングは、2月4日にSEMICON Koreaにおいて、また3月18日にSEMICON Chinaにおいて提供されます。

(初出 SEMI Global Update 2015年1月号)