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ボンディングワイヤの銅線移行状況

SEMI市場調査統計部門 ダン・トレーシー

「コスト削減」はエレクトロニクス産業のいたるところで聞かれるお題目であり、メーカーがより高性能かつ低コストな製品を消費者に届けようとするときには、半導体サプライチェーンとっての難題となります。値下げ圧力はサプライチェーンのいたるところにあふれており、半導体製造のウェーハプロセス工程、パッケージング工程における材料選択にも影響は及びます。中でも特に劇的な材料変更が見られたのは、過去7年にわたる半導体パッケージングにおける金価格高騰の影響軽減によるものでした。

何十年もの間、ワイヤボンドパッケージの主力材料は金ワイヤでした。2006年に金価格の上昇が始まったとき、半導体メーカーは高騰する金価格の影響を軽減するため、銅ワイヤの使用の綿密な研究に着手しました。その後、2011年9月には、平均金価格はピークで1,772ドル/トロイオンス(trz)という記録的な高値に達し、2012年はほぼ通年1,660ドル/ trzを上回りました。2012年後半から2013年にかけて金価格は下落に転じ、2013年には1,300ドル/trzを割り込み、2014年にかけてこの水準が継続しましたが、しかし、依然として2007年の2倍近い価格です。

その結果、ボンディングワイヤのサプライヤ各社は、金ワイヤの代替品として、銅ワイヤ、パラジウム被膜銅(PCC)ワイヤ、銀あるいは銀合金ワイヤへの設備投資を行いました。2007年には、パッケージメーカーに出荷されたボンディングワイヤ160億メートルのうち、金ワイヤは約98%を占めましたが、2013年までに、その割合は総出荷量のほぼ半分にまで下落しました。2014年に出荷された200億メートル超のボンディングワイヤのうち、金ワイヤの比率は44%と推定されます。

Bonding Wire

2014年は、銅ワイヤのシェアが、裸銅とPCCの両方を含めて出荷量の48%を占め、銀/銀合金ワイヤのシェアも8%に上昇しました。2015年もこの傾向は続く見込みであり、銅ワイヤは総出荷量の50%を上回り、銀ワイヤのシェアもいくらか上昇することが予想されます。

金価格高騰の影響軽減を目的としたこの移行を成功させるため、大手パッケージングサブコン各社は銅ワイヤの生産能力の引き上げに投資しました。デバイスメーカーとファブレス顧客はこれを認定し、現在、新製品では銅ボンディングワイヤを使用しています。当初、銅ワイヤの使用は家電製品や通信機器に限られていましたが、現在では、産業用、サーバ、さらには車載デバイスなどへも広がっています。銅ワイヤは、リードフレームとパッケージ基板の両方のパッケージを含む多種多様なタイプと形状に及んでいます。

銅ワイヤでは、ハイエンドのボンディング装置への投資が必要ですが、こうした投資が必ずしも必要とならない低コストの選択肢として、銀ボンディングワイヤも浮上しています。銀ワイヤへの関心は当初、LEDパッケージングや一部のメモリデバイスでの使用で高まりましたが、生産に採用されたのは、モバイル用ベースバンドチップなど、他のデバイスでした。これらの信頼度要件は、一般的に他のデバイスアプリケーションほど厳しくありません。

パッケージングメーカーのほかに、ボンディング装置やワイヤのサプライヤ、部品メーカーのすべてが、この移行を成し遂げるために重要な役割を果たしました。昨年、業界が金ワイヤにかけた費用は推定280億ドルですが、これは2011年に費やされたと推定される550億ドルを大幅に下回っています。この業界をあげての取り組みのおかげで、性能要求が複雑化し、小型化、薄化が進む方向にありながら、エレクトロニクス産業は材料コストの削減に成功したといえます。

パッケージ材料市場の詳細な情報については、SEMI Global Semiconductor Packaging Materials Outlook 2013-2014 Edition(www.semi.org/en/node/45446)をご覧ください。

(初出 SEMI Global Update 2015年2月号)