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2015年半導体産業の市場データは為替レートで大きく減少

SEMI市場調査統計部門 ダン・トレーシー

2015年の半導体産業は、旺盛な成長の予測と共に始まりましたが、第2四半期にはいると、PC市場は成長せず、タブレットの出荷は横ばい、スマートフォンの出荷量も2桁成長から鈍化などと、色々な産業分野での減速傾向が、半導体産業にも影響するようになりました。それとは別に半導体産業の売上/収益データに大きな営業を及ぼしたのが、米ドル為替レートの対日本円、対ユーロ高です。

日本円の対ドル為替レートは、2013年から下落を続けています(下図参照)。2015年だけでも13%もの円安となりました。ユーロもまた、2015年に対米ドルで18%もの目減りをしています。

為替レートの動向が米ドルで集計される世界統計に及ぼす影響が特に顕著なのは、半導体製造装置市場です。日本とヨーロッパの装置メーカーが、世界シェアの55~60%を占めているからです。

下表は2015年第3四半期以降の売上(請求額)をまとめたものです。2015年の製造装置市場は、9月までに日本円およびユーロ安により7%にあたる約20億ドルを失う結果となりました(2014年の為替レートを2015年の売上に適用して計算した場合との比較)。

先ごろ発表した2016年までの装置市場予測において、SEMIは2015年の装置売上を前年比1%減少と予測しました。仮に2015年の為替レートが2014年と同水準を維持したとすると(そしてそれ以外の市場条件が変わらなかった場合は)、2015年の製造装置の売上は、2014年に記録された375億ドルを5~6%上回ったことになります。

もうひとつ、為替レートによる懸念が生じているのが、昨年8月の中国元(RMB)の下落です。中国の経済成長率が、これまでのような高率から下がってしまったため、中国政府は中国経済の輸出分野を後押しする目的で中国元の為替を調整したのです。この調整は論議を呼びましたが、全体としては中国元のレートは、2011年~2012年のレートの範囲内にありました。(2015年12月の中国元/米ドル為替レートの平均値は約6.45)。

中国元/米ドル為替レートの推移

2010年2011年2012年2013年2014年2015年推定
6.776.466.316.156.166.28

Source: Board of Governors of the Federal Reserve System (US)

2016年の為替レートはどうなるか

Hiltop Econimicsの首席エコノミスト、ダンカン・メルドラム氏は次のように述べています。「米国の連ボウ準備銀行がついに短期金利をあげたが、諸外国の金利は同じか、あるいは引き下げられているので、ドルのアジア諸通貨およびユーロに対する価値は、今年さらに高まることが予測されます。しかし、その結果流入する資本は、長期金利を抑えるのに十分な量であり、過去2年間にみられたようなドル高を招くような急激な動きを連ボウ銀行がとることはないと見ています。」

また別の経済および地政学的な不確定要素が浮上しない限り、2016年の半導体産業の売上各社予測は、一桁台前半に集約されます。製造装置は一桁台の減少からフラットまたは微増の範囲で予測されています。(SEMIの昨年12月発表の予測では、今年の装置市場は1.4%の成長となります。)

(初出 SEMI Global Update 2016年1月12日号)