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自動運転車および電気自動車のMEMSおよびセンサ:
IHS MarkitのMSECでの発表の要点

 

2018年12月19日

図1

自動車メーカーが設計に組み込む推進、操縦、制御用のチップの増加に伴い、自動車業界はMEMSおよびセンサにとって重要なセグメントになっています。しかし、これらのチップ機能の高度化および採用の加速化により、車載用チップの調達先は細分化されました。IHS Markit社のジェレミー・ブショー(Jérémie Bouchaud)氏は、Napaで10月下旬に開催されたMEMS & Sensor Executive Congress(MSEC)でこの重要市場の詳細な展望を発表しました。以下は彼のプレゼンテーションの要点になります。

 

自動運転車および電気・ハイブリッド自動車によりMEMS市場の拡大が加速

自動車市場では自動車の年間生産台数が1億台に迫る中、MEMSやシリコン磁気センサは、シャーシや安全装置、パワートレインの応用分野に大量に採用されており、取引額は60億ドルに迫っています。今後も自動車市場は、自動運転および電気・ハイブリッド自動車の拡大が見込まれます。電気・ハイブリッド自動車は自動運転車より普及スピードが速く、現時点では特にセンサの分野で非常に大きな市場になっています。各市場はそれぞれ独自の力学が働いています。

たとえば、電気・ハイブリッド市場の場合、歴史的に従来の非半導体センサに大きく依存してきましたが、さまざまなセンシングのニーズに対応する新たなセンサ技術が競い合っている状況です。自動運転車は、まだ黎明期の段階であり、現時点では需要は限定的といえます。IHS Markitでは、自動運転車の生産は2030年までに1,000万台に達すると予測しています。

 

現在、電気・ハイブリッド自動車の生産は急成長

電気・ハイブリッド自動車の生産は急成長段階であり、IHS Markitの予測によると、これらの自動車の市場普及率は2016年の3%から2030年には50%に達します。特に中核となる充電やインバータ機能では、電流、温度および位置のセンシングが必要になります。歴史的に、これらの機能の多くは温度検出用のNTC(負温度係数)サーミスタなどの非半導体デバイスによって処理されており、固い地盤を築いていました。他の領域では、半導体センサは従来のデバイスと競い合っている状況です。

図2

 

自動運転車がMEMSおよびセンサの新たな需要を開拓

図3

自動運転への流れは、MEMSとセンサの新たな需要の開拓につながっており、高性能なドライバーアシスタンスシステムが牽引する成長スピードは、従来のパワートレインを上回っています。現在入手可能な自動運転車は、複数のカメラやレーダーが搭載されたレベル2(一部自動運転)ですが、レベル3(条件付き自動運転)の自動車は来年にも市場に登場する可能性があり、ドライバーの監視カメラ、LIDARシステムが追加されるほか、おそらくマイクロボロメータか他のナイトビジョンシステムが搭載されます。レベル4(高度な自動運転)およびレベル5(完全自動運転)になると、車両間が交信するV2V通信や他のシステム類が搭載されますが、今後数年内に幅広く普及する可能性はあまりありません。

自動運転車の市場は、電気・ハイブリッド自動車の市場と比較して全体的に小さいですが、MEMSデバイスや特にLIDARシステムにとって魅力的な機会となります。LIDARおよび他のセンシング/測位システムは自動運転の中核であり、非常に重要な機能であるビームステアリングでMEMSデバイスの需要があります。一方で、展開される自動運転車の自動化レベルが高まると、画像センサやその他のセンサの需要も急速に高まります。

 

MEMSおよびセンサメーカーに非常に多様な応用分野をもたらす自動車市場

図4

自動車市場は、MEMSおよびセンサメーカーにとって極めて多様な応用分野をもたらします。一部の企業は幅広い製品ポートフォリオを開発し、複数の応用分野に参入しています。たとえば、TDKはNTCサーミスタのほか、MEMSおよびシリコンベースのセンサも提供しています。半導体企業のInfineonなどは、シリコンベースの電磁抵抗効果センサやホール効果センサなどを搭載したMEMSに参入しています。

TDKはMEMSやシリコンベースのセンサと同様にNTCサーミスタを提供しています。半導体企業のInfineonなどは、MEMSやシリコンベースの電磁抵抗効果センサやホール効果センサ企業とも競合しています。

自動車市場において、ADASに使用される画像センサやレーダーセンサ、およびEVの磁気抵抗効果センサやホール効果センサの需要の拡大が意味することは、自動車市場の重心は今後数年の間にMEMSからシフトする可能性があるため、車載センサのサプライヤはMEMSのみに注力することは危険だとBouchaud氏は警告しています。