ガス検知の活動への参加について
―「SEMI S6半導体製造装置の排気換気に関する環境、健康、安全のためのガイドライン」改訂活動―
SEMI本部/スタンダード担当マネージャー ケビン・ニューエン 2019年4月11日
SEMIスタンダードの北米地区EHS技術委員会傘下に、「SEMI S6(半導体製造装置の排気換気に関する環境、健康、安全のためのガイドライン)改訂タスクフォース」があり、ガス検知について、関連企業に参加を呼び掛けています。
最新の半導体製造技術はめざましく、デバイスはますます小さくなっていますが、製造における安全が果たす重要な役割を見逃してはなりません。デバイスメーカーは、半導体製造においてさまざまなガスを使用しますが、中には、有害な自然発火性のものがあり、火災や爆発を引き起こして、設備の重大な損害や事業の中断につながる可能性があります。加えて、これらのガスはしばしば有毒であり、現場で働く人の健康を危険にさらす場合もあります。安全対策として、ガス検知器は製造装置の重要なコンポーネントであり、故意でない漏れを監視して通常運転を保証するために使用されます。
信頼性の高いガス検知は、有害化学物質が故意なく放出されたりあふれたりするのを防ぐのにとても重要です。しかしながら、一旦設置されると、ガス検知器の機能は、それが故障するか、あるいは保守のためにシャットダウンされない限り、一般に点検されないままになります。
北米地区2018年秋季スタンダード会議(Standards NA Fall 2018 Meetings)期間中に開催されたSEMI S6改訂タスクフォースでは、DOD Technologies、RKI Instruments、Honeywellを含むいくつかのガス検知サプライヤが参加して、ガス検知信頼性の基本ガイドライン策定について議論が行われました。すべてのサプライヤが、自社の検知器が評価されていることを認識していますが、これらの評価方法は標準化されておらず、大幅に異なる可能性があります。
議論のあとで、SEMI S6改訂タスクフォースが、標準化を検討するにあたって次のパラメータを提案しています。
- 顧客へ提供される基本的な試験報告書
- 平均初期故障時間(MTTF)
- 信頼性
- 反応時間
- 感度
- トレーサビリティ
上述のサプライヤ3社は、解決策を強く望んでいます。半導体製造において一般的に使用されるガスを検知することが、最初のアプローチです。出席者全員が合意したのは、信頼できる使用法確立のために、標準化すべき適切なパラメータを識別するということです。
次のアクションとしては、進め方の議論です。この議論には、どなたでもご参加いただけますが、特に、ガス検知メーカーにご参加いただきたいと考えています。
本件に関するお問合せ
SEMIジャパン スタンダード&EHS部 柳澤智栄(cyanagisawa@semi.org)
初出: Standards Watch 2018年12月5日号
※本稿は、Standards Watchに掲載されました記事を日本語訳したものです。