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EU機械指令改正案に対するSEMIの見解を欧州委員会に提出

 

SEMI Europe アドボカシー/パブリックポリシー担当シニアマネージャー エミール・デミルカン 2019年4月11日

 

EU機械指令の目的は、機械使用者の高水準な安全確保、そしてEU市場での機械の自由な移動を促進することです。ここ数年、欧州委員会は機械指令を見直し、最新のITイノベーションを活用したさらなる安全水準の改善検討を進めています。現在の改正案は、機械指令とこれに整合したEU製品健康安全法令の調整と、デジタル化の技術進歩によって生じる安全問題に対処しようとするものです。

SEMIはエレクトロニクス製造産業の利益を反映するため、この改正案に対する見解を欧州委員会に提出しました。

 

1.半導体製造ではすでにAI技術を採用

AIツールを活用して、現在の半導体ファブは装置のノウハウと製造統計を組み合わせ、大量の故障検出データの管理、製造効率の向上、歩留まりの改善を行っています。例えば、大量のデータをリアルタイムに収集・モニタリングし、何等かのハードウェア故障や異常があれば、システム管理者に警告を出すことが、AIによって可能になります。また、AIは製造プロセスにフィードバックを提供して自動調整することもできますから、プロセス効率を向上させることも可能です。

保護されたサイバー・フィジカル空間がなければ、製造データ、AI、さらに延長すると製造装置までの安全利用は担保できないため、エレクトロニクス製造企業にとってはセキュリティがトッププライオリティとなっています。しかし、SEMI会員のコンセンサスは、こうしたセキュリティへの懸念に機械指令の改正で対処しようとすることは、困難であり問題があるという見解です。機械指令は製造者が製品を上市する(市場に出す)前に適合しなければならない必須健康安全要求事項を規定しています。これには、AIなどの最先端技術を使用した製品の上市も含まれます。SEMIは、AI技術の使用とそれによるサイバーセキュリティへの影響については、関連するサイバーセキュリティ政策の下で、枠組みを検討すべきだという立場です。

 

2. 顧客からのデジタル文書の要望増加

 

エレクトロニクス製造は、技術的にも運用的にもペーパーレスへの移行が進んでいます。例えば、クリーンルームに通常は紙を持ち込めないので、顧客は製品に添付される文書のデジタル化を求めています。また、多くの企業は一般に英語を共通言語として使用するソフトウェアツールを使用して、顧客の製品マニュアルの更新をしています。このツールには製品の操作および保守手順のトレーニングプログラムも含まれています。機械指令の文書に対する要求条件で、幅広い言語のデジタルフォーマットを採用すれば、業界の管理上の負担を軽減することができるでしょう。

 

3. NLFとの調整が必須

たとえ企業にとって重大な懸念とはなっていなくても、機械指令をNLF(New Lesisltire Framework:既存のニューアプローチ指令の整合性を促進する枠組み)と調整し、適合宣言や技術文書等に関する関連文書を採用する適応があります。例えば、SEMI会員は半完成機械に関するAnnex IIBを含めることが求められますが、その提出時期については明確になっていません。機械指令が施行されるときは、市場監視当局と連携する必要があります。多くの企業が、機械指令は施行方法が加盟国ごとに異なり、場合によってはそれがあまりに手緩いため、使用者に環境安全上の危険が生じる可能性があると指摘しています。

 

4. 機械指令実施の法的要求条件を明確化する実際的ガイダンス

いくつかのメーカーが、機械指令(半完成機械等)の実施において関係する法令が明確でない可能性、また定電圧指令等の他の指令との不整合や重複の疑いを指摘していますが、SEMI会員はこうした点について、機械指令を改正する理由となるほどの大問題とは考えていません。むしろ、SEMI会員は機械指令と低電圧指令等を参照する際の具体的なガイダンスを希望しています。

SEMI会員の共通見解は、機械指令は概して目的に適合しており、必要な健康安全指針を提供し、EUの域内外での機械の移動を容易にしているというものです。しかし、本稿の提案が実施されるなら、業界、規制当局、執行機関の利益となるでしょう。