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フレキシブル材料の祭典 "2019 FLEX Japan / MEMS & SENSORS  FORUM"が開催
基調講演にNASA のDr. Meyya Meyyappan氏が登壇

 

清水メディア戦略研究所 清水 計宏 2019年6月25日

 

 

MEMS & Sensors 市場は2019年に500億ドル規模に

SEMI(国際半導体製造装置材料協会)は、5月22日、23日の両日、東京・品川のザ・グランドホール(東京都港区港南2-16-4 品川グランドセントラルタワー3階)で、FHE(Flexible Hybrid Electronics)およびMEMS(微小電気機械システム)・センサーに関する国際コンファレンス「2019 FLEX Japan / MEMS & SENSORS FORUM」を開催した。

FHEは、フレキシブルな電子デバイスで、その柔軟性、薄さ、軽量性に半導体の処理能力を組み合わせており、IoT(Internet of Things)を促進する各種センサーのほか、自動車、家電・電機製品、ウェアラブル機器、ヘルスケア、OLEDディスプレイ、照明といった幅広いアプリケーション分野での有用性が認められている。 

SEMIは、FHEの製造技術とそのアプリケーションと市場への理解を共有し、より市場を活性化するため、2002年から米国で「FLEX」を開催。日本での開催は2017年の「FLEX Japan」から3回目。今回は、当初予定した定員(250人)を上回る参加者が訪れ、2日間にわたって講演者の話や展示ブースの説明を熱心に聞き入った。

昨年に引き続き、SEMIが戦略的パートナーシップを締結しているMEMS and Sensors Industry Groupが主催するMEMS/センサーの専門コンファレンス「MEMS & SENSORS FORUM」を統合した。

冒頭、SEMIジャパンの浜島 雅彦代表は、「SEMIには、"CONNECT"、"COLABORATE"、"INNOVATE"というグローバルなマントラ(語句・言葉)がある。まさに、ここにさまざまな業界から集っていただいた方がたが、この機会を有効に生かしていただき、いろいろにつながりながら、事業の発展に寄与していただければと思う」と挨拶。

また、米カリフォルニア州サンノゼのSEMIから、"SEMI-MEMS & Sensors Industry Group"のCarmelo Sansoneディレクターも挨拶に立ち、同業界の持つ可能性の大きさにふれながら抱負を語った。

「MEMS & Sensors は、メガトレンドの中心にあり、この市場は2019年に500億ドル規模になり、今後5年にかけて、さらに成長していくと見られている。モバイルデバイス、ドローン、ウエアラブルデバイスだけでなく、自律運転のクルマも、センサーがあってこそ可能になる。MEMS & Sensorsは、こうした産業の成長を加速させ、繁栄を支えている。つまり私たちには、さまざまなチャンスがあり、それを利用していくことができる」

 

3セッションで構成、17人がプレゼンテーション

プログラムは、基調講演のほか、「SMART Transportation」、「MedTech and Life science」、「Common Technology」の3つのセッションで構成。17人がプレゼンテーションに臨み、30社が出展した。

初日の基調講演には、NASA(米国航空宇宙局) Ames Research Centerの宇宙探査技術のチーフサイエンティストに就くMeyya Meyyappan氏が登場し、NASAの「In-Space Manufacturing(ISM)Project」の一端として、国際宇宙ステーション(ISS)におけるプリンテッドエレクトロニクスのオンデマンド製作について語った。

2日目には、ヤフー(株)CISO室 ゲノムR&D サービスマネージャーの井上昌洋氏が基調講演のステージに上がった。「ゲノム情報を使った個別化ヘルスケアサービスの展望」をテーマに、唾液を採取して返送するだけで、約300の健康リスクや体質を解析できるゲノム多型解析サービスキット「HealthData Lab(ヘルスデータラボ)」について、そのサービスの開発経緯と意義、それによる効率的な健康管理などについて説明した。

今回の特徴は、あらゆるモノがネットにつながるIoTの普及に伴い、センサーデバイスは、FA(ファクトリーオートメーション)、PA(プロセスオートメーション)、電子機器、車載、社会インフラ、医療・ヘルスケアを中心とする主要分野の需要拡大を支えている。

こうした中で、センサーデバイスのアプリケーションやサービスへの関心が高まっており、セッションプログラムにおいても、比較的サービス系が多くなった。特に、

自動運転技術の進展の中で自動車業界のアクティビティが高くなっており、これを反映して、2日間のうち初日の多くのセッションが"SMART Transportation"に充てられた。

このセッションには、仏調査会社のYole Développementの車載センサー担当アナリストであるJérôme Azémar氏とともに、有機センサー開発の仏ISORGでCTO(Chief Technology Officer)に就くJerome Joimel 氏、 世界最大手のLiDAR開発企業である米Velodyne LiDAR(ベロダインライダー)でオートモーティブ事業部オートモーティブ プロジェクトマネージャーを務める福永秀夫氏らがそれぞれプレゼンテーションした。

主催者のSEMIは、半導体と関連する製造装置・材料・関連サービスを提供している企業の国際的な工業会。製造装置や材料、コンポーネントといった従来の活動領域に加えて、アプリケーションのエリアまで枠を広げ業界団体として情報提供をすることを社会的使命としている。

コンファレンスのテーマとなったFHEは、Flexible Hybrid Electronicsという名称が示すように、シリコン(合成高分子化合物)と有機(化合物・化学)の2つの技術をハイブリッドに融合し、メモリーやマイコン、MEMS構造を必要とするセンサーなどをプリンテッドエレクトロニクスに実装することで、高い機能・性能と低コストの両立を図ろうとするデバイス製造技術。

フィルム、箔、布(繊維)、紙などの柔軟性のある材料を用いることで、より軽量で丈夫で順応性がある。このため、折り畳んだり、身体に張ったり、腕に巻いたりといったように、さまざまなデザインの製品づくりが可能となる。その応用分野として、人とモノの両面で使用される各種センサーやウエアラブルデバイスのほか、フレキシブルディスプレイ、車載、スマートホーム、スマートシティ、オーディオ機器、通信機器をはじめ多岐にわたり、まさにIoTアプリケーションを促進させる中核技術となっている。

SEMIは、FHEの有用性にいち早く着目し、FHE産業を促進する団体"FlexTech Alliance"(2008年設立)と戦略的パートナー協定を締結し、FHEの振興に力を入れているほか、その技術の進化と普及のための活動をグローバルで展開している。