ケビン・グエン 2020年2月12日
SEMI S2は、1991年に初版が出版され、以来、半導体製造装置に関する安全ガイドラインを提供してきました。電気設計、防火、地震発生時の耐震、システムの機械設計、安全インタロックシステムなど、ファブで運用される装置に関連するさまざまな安全面をカバーしています。 SEMI S2安全ガイドラインは、半導体業界で安全基準の最も厳しい基盤として広く採用されています。
デバイス技術のノードが縮小し続けるにつれて、半導体プロセス用の製造装置はより複雑になっています。 SEMI S2安全ガイドラインは、それに応じてその範囲を拡大し、安全な作業環境の必要性に対処するために進化し続けています。
最近では、圧力システムの安全面に重点が置かれています。より多くの国が、国内で運転される装置に対して、圧力ガイドラインの適用を実施しています。韓国の法律では、1 MPa(10 bar)を超える圧力で動作するシステムは検査と承認を受ける必要があります。S2 Korean High Pressure Gas Safety Task Forceが、2018年からこの課題に取り組んでいます。
新たな動きとして、北米地区秋季スタンダード会議期間中の2019年11月7日開催のEHS技術委員会にてSEMI S2 Pressure Guidelines Task Force(TF)が設立されました。このタスクフォースでは、改訂にあたり、SEMI S2に新たな章を追加するか、現在の18章(機械設計)を拡張するか、いずれかの方向を想定していますが、圧力に関する懸念事項に対して盛り込まれる基準と情報には、以下のようなものを含みます。
- 設計ガイドライン
- 承認された部品の追跡
- 試験の要件(圧力試験、溶接)
- 材料の要件
- 試験立会、国が承認したコンポーネントなど、特定の要件を持つ特定国の注意の追加
このガイダンスがSEMI S2に組み込まれると、装置サプライヤと第三者評価機関は、SEMI S2レポートに上記の文書を提供し、コンプライアンスを示すことが可能になります。また、エンドユーザーは、これらのコンプライアンスレポートを監督官庁の承認を得るために提出することができます。
Bert Planting(ASML)がタスクフォースリーダーで、Lam Research、ニコン、東京エレクトロンを含む主な装置サプライヤがこの取り組みに参加しています。このタスクフォースは、業界の意見を最大限に活用するために、今後、電話会議で会議を開催していきます。
本件に関するお問合せ
SEMIジャパン スタンダード&EHS部
柳澤智栄 (cyanagisawa@semi.org)
初出:Standards Watch, Volume 14, Issue 4
※本稿は、Standards Watchに掲載されました記事を日本語訳したものです。
元の記事 https://www.semi.org/en/standards-watch-2019dec/S2-Pressure-Guidelines-TF