半導体材料市場は2015年に460億ドルを超過

SEMI市場アナリスト ローラ・チャムネス

誰に話をきいても、半導体業界にとって2014年は良い年となりそうです。最新の半導体販売額予測は、一桁台の半ばから後半の成長率を示しており。四半期のデバイスの売上やシリコン出荷量も、前年同期を上回っています。SEMIは半導体材料市場はデバイス市場に連動すると考えており、これに基づいて、今年は3％の増加、来年は4％の増加を見込み、その結果、2015年の材料市場は460億ドルを超過すると予測しています。2年連続のプラス成長となりますが、材料市場のトータル金額は、2011年の最高記録には届かないでしょう。過去数年、コストダウンと半導体生産数量の成長率によって、材料の売上が抑制されたためです。

 

半導体売上とシリコン出荷量の四半期データ相関

Source: WSTS September 2014, SEMI SMG, July 2014

 

昨年とは打って変わり、今年の材料市場は、どの地域においても成長が予測されます。2010年から、台湾は旺盛なウェーハファブと先端パッケージングの生産を背景に、世界最大の材料市場となっています。今年はさらに7%の成長が見込まれ、トップの地位を維持するでしょう。日本、韓国、「その他地域」が、材料市場の50%を占めますが、3地域をあわせた成長率は1%です。「その他地域」にはいるのは、シンガポールなどの東南アジア諸国で、パッケージング材料では最大の市場となります。2013年に4%成長をした中国市場は、今年は成長率が1%に下がる見込みです。残るヨーロッパ、北米については、主に北米市場の貢献により3%の成長へ改善すると予測しています。

 

2014年の地域別材料市場
(448億ドル)

Source: SEMI, August 2014

 

材料市場の主要なカテゴリの動向を見ると、歴史的にウェーハファブ材料が材料市場の過半数を占めます。この大きな要因がシリコンウェーハです。しかし、2009年以降、パッケージング材料が、市場で大きく割合を増やしています。シリコンウェーハへの厳しい値下げ圧力、ボンディングワイヤに使用される金の高騰、モバイルアプリケーションでの増加した先端パッケージング材料の使用増がその原因です。今年はウェーハファブ材料が6%増加し、パッケージング材料は横ばいと予測されるので、ウェーハファブ材料の割合が材料市場全体の54%まで増えるでしょう。最近の銅および銀合金のボンディングワイヤへの切り替えの動きにより金価格上昇の影響が軽減され、パッケージング材料の成長率を抑制しています。

半導体材料市場の構成の推移

Source: SEMI, August 2014

 

現時点での半導体市場の予測を前提として、SEMIは半導体材料市場について、今年は3%、2015年は4%の成長を予測しています。台湾の成長率は他地域を寄せ付けず、2014年に世界最大市場となるのは確実と思われ、2015年はそのリードを広げるでしょう。半導体材料市場の構成はこの10年で変化をし、モバイルアプリケーション向けの先端パッケージング材料の需要が増加する一方、シリコンウェーハの売上が市場全体に占める割合は縮小しました。

本稿のデータは、SEMIが四半期毎に発行する材料市場統計レポート（MMDS）に基づいています。MMDSは世界の半導体材料市場のデータと動向を、重要材料について調査したものです。収録されてる材料分野は、前工程では10、パッケージング関係では7となります。

（初出 SEMI Global Update 2014年10月号）

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