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第2回SEMIベトナム半導体戦略サミット:

活気づくベトナムの半導体製造産業

Vietnam Panel Image第2回SEMIベトナム半導体戦略サミット(SEMI Vietnam Semiconductor Strategy Summit)が2014年9月16~17日にホーチミン市で開催されました。プレミア・スポンサーにFabMaxを迎え、サイゴン・ハイテク・パーク(SHTP)との共催で行われた今回の会議には、ベトナム、ヨーロッパ、米国、他の東南アジア諸国から160名以上が参加し、講演、パネルディスカッション、レセプションを通じて、政府、ホーチミン市半導体協会(HSIA)、サイゴン・ハイテク・パークの関係者との交流が図られました。

昨年9月の第1回サミットの成功を基盤とした今回のサミットでは、参加者ならびに講演者から、ベトナムの半導体製造エコシステム形成の進捗と活力の高まりが感じられるとの意見が口々に寄せられました。歓迎の挨拶に立ったSEMI Southeast Asia代表のカイ・ファイ・ヌグは、東南アジアにおけるベトナムの重要性に触れた上で、ベトナム企業と東南アジア企業とのビジネス交流の促進、労働力開発と教育の支援、そしてベトナムの主要なステークホルダーとの関係強化に向けたSEMIの計画を述べました。

参加者がこの日最も注目されたのが、CNSのシニア・エキスパート、ファム・バ・トゥアン氏による基調講演でした。昨年発表されたサイゴン・ハイテク・パークの200mmファブ・プロジェクトは、同社が実行します。トゥアン氏は、若年人口が多く大学卒業率も高いベトナムでは半導体製品に対する需要が急速に高まっており、このニーズを国産デバイスで満たすことが重要であると力説しました。そのためには、新しいファブの生産品種およびコスト構造で変動するものの、少なくとも月産5,000枚の生産能力が必要との見方が示されました。製品構成による生産能力の変動に対応するには、月間ウェーハ投入枚数(WSPM)を5,000~10,000枚の範囲で調整できるようにする必要があるとした上で、その場合、装置購入、ファブ建設、インフラストラクチャ整備に「数百万USドル」の投資が必要となるとトゥアン氏は指摘しました。

Products of Waferfab

トゥアン氏は、テクノロジーノードとウェーハサイズの選択が、このウェーハ・ファブでは、非常に重要であったとことを強調しました。というのも、この選択次第で投資の規模、製品ポートフォリオが変わり、また、製造プロセス全体で必要とされる熟練した労働力の育成も左右されるからです。サイゴン・ハイテク・パークのウェーハ・ファブでは180nmノードと200mmウェーハの組み合わせが選択されました。これは、幅広い種類の製品を生産するという目的にかなったものです。

Analysis Chart

今回のプレゼンテーションでは、2015年第3四半期に建設が始まり、2016年第2四半期に装置の搬入が開始するというプロジェクトの工程も示されました。

Progess of Project

CNSのトゥアン氏によるプレゼンテーションの後、フレデリック・ヴィンセンティーニ氏によるNXPの企業紹介がありました。

Sherry Boger Image第2セッション「ベトナムにおける半導体製造」の最初の講演にはIntel Vietnamのジェネラル・マネージャー、シェリー・ボーガー氏が登壇し、先ごろ発表されたHaswellなどフラッグシップ製品のベトナムでの生産について、Intelの最新計画が紹介されました。Intelがベトナムに構える組立・テスト工場は同社のグローバル・ネットワークの中でも最大規模を誇っており、フル稼働期には3,000名を超えるベトナム人従業員を雇用します。

Fab-Finderのトッド・カーティス氏の講演では、同社がベトナムで事業を開始した際の経験と教訓が語られました。Fab-Finder経営陣は、全員を合わせると100年を超える半導体業界の経験がありましたが、ベトナムでの経験は当時まったくありませんでした。このため、法律、税制、文化、タブー、商習慣の違いを短期間で習得することが急務でした。この教育役を果たしてくれたとして、カーティス氏はベトナムのビジネス・パートナー、法務・税務アドバイザー、HSIA、サイゴン・ハイテク・パークに謝辞を述べました。

次に、Imecのコル・クレイズ氏がImecのOpen Innovationモデルについて講演をしました。クレイズ氏は、果てしない微細化、複雑化する新デバイスとアプリケーション、研究開発コストの高騰を考慮すると、半導体業界が一層の協力を進めなければ、高まるニーズや加速するイノベーションに追従することはできないと強調しました。

Open Innovation Chart

研究開発を基本的に自社内で行い、IPの共有を行わず、プロジェクトの進行がサイロ化している従来の研究開発アプローチと、ImecのOpen Innovationモデルを対比しながら、クレイズ氏は研究開発パートナー間でリスク、コスト、人材、IPを共有し、研究開発活動の期間とコストの削減からの恩恵を一緒に享受することが必要だと説きました。

この講演は、午後に行われた技術移転とIPの作成および保護についての2講演への素晴らしい導入となりました。IBMのラディカ・シュリニヴァサン氏は技術移転が発生するプロセスについて述べ、そしてその機会とリスクの管理方法について説明しました。シュリニヴァサン氏は、何らかの技術を導入する場合には、技術移転がきわめて重要な役割を果たすとした上で、準備とトレーニングから、導入とデバッグ、検収と歩留まり学習、製品認定と量産まで、IBMが採用しているメソドロジを紹介しました。また、IPの移転をカスタマイズ性の高い柔軟なシナリオで管理することにより、移転インフラストラクチャ、文書の妥当性、技術成熟度の不足といったリスクを回避できる利点もあるとシュリニヴァサン氏は指摘しました。

Semiconductor Process Image

NXPのジョン・シュミッツ氏は、このテーマをさらに掘り下げ、ナレッジが経済を支える推進力となった現在、高まりつつある知的財産権(IPR)の重要性について、同社の見解を講演しました。シュミッツ氏は「技術およびビジネスのナレッジに経済的な形を与えたものがIRPである」として、IPRは不正使用からの保護メカニズムを提供するものであると強調しました。また、将来の特許ポートフォリオは全体的な企業戦略に合致している必要があるが、そのためには少なくとも5年先を見通す必要があり、たとえば現在の携帯電話の製品ライフサイクルが約6か月であることを考えると、必然的にリスクの伴う作業であると指摘しました。

この日最後の講演は、M+W Groupのアンドレアス・オーテンリース氏による「半導体ウェーハ・ファブ建設の統合アプローチ」でした。講演では持続可能で費用対効果の高いファブ設計に必要な条件として、特にエネルギー効率、環境技術、再生可能エネルギーの利用に重点が置かれました。オーテンリース氏は中古装置の使用にも言及し、テクノロジ要件を過不足なく満たしたスペックの装置を選択すること、消耗品とスペアに十分な注意を払うこと、そして装置のテストと文書化を管理することが重要であると述べました。これらの点は、CNSのウェーハ・ファブ・プロジェクトでも特に重視される可能性があります。

Vietnam Summit Image第2回SEMIベトナム半導体戦略サミットの締めくくりとして、2つのパネル・ディスカッションが行われました。まず「ベトナムのテクノロジ・セクターにおける投資と操業」では、FabMaxのエデュアルド・ヘーベリヒツ氏が司会を務め、事業者サイドと政府サイドについて2つのプレゼンテーションがありました。ベトナムで2つの後工程工場を操業しているON Semiconductorのジョニー・チュー氏は事業者の立場から、ここ数年の経験は非常にポジティブであるものの、いくつかの改善の余地も残っていると語りました。この見方は、午前中に登壇したIntelのシェリー・ボーガー氏と非常に多くの共通点がありました。また、サイゴン・ハイテク・パーク代表のリ・ホアイ・クォク氏からは、サイゴン・ハイテク・パークの概要紹介の後、事業者および新規投資家に対するベトナム政府のさまざまな支援策について説明がありました。この「コインの両側」という2つのプレゼンテーションが導入となって、パネル・ディスカッションは、最後まで活発な議論が行われました。

もう1つのパネル・ディスカッション「教育と労働力開発」はSEMIのベッティーナ・ワイスが司会を務め、シェリー・ボーガー氏(Intel Vietnam)、カレル・ファン・デア・ポエル氏(デルフト工科大学)、ファム・バ・トゥアン氏(CNS)、カオ・ヌグイェン氏(ON Semiconductor)がパネリストとして参加しました。必要な技能スキルを備えた有能な人材プールをベトナムで開発することの重要性は、2013年の第1回SEMIベトナム半導体戦略サミットでも取り上げられたトピックの1つです。パネリストたちの間では、ハイテク産業でのさらなる女性活用、海外の大学とのパートナーシップ、特別プログラムへの取り組み強化について活発な議論が交わされました。特別プログラムとして挙げられたのが、Intelが積極的に支援しているHEEAP(Higher Engineering Education Alliance Program)、およびデルフト工科大学DIMESセンターがベトナムのハノイ工科大学、ハノイ土木大学、科学技術省と共同で実施している各種プログラムです。ファン・デア・ポエル氏は、ベトナムが半導体業界の労働力整備に注力を始めているので、これらのプログラムを半導体業界に拡張するのはそう難しいことではないとの見方を示しました。

最後に行われた交流レセプションでは、1年前のサミットから大きな進歩と活気の高まりが感じられるとの意見が、参加者と講演者の両方から聞かれました。特にベトナム国内からの参加者は、講演者による充実したプレゼンテーションと独自の視点を高く評価していました。また、スポンサー企業を含む多くの国際的な企業がベトナム企業との親睦を深め、多くのビジネス・チャンスをもたらしてサミットの幕が閉じました。全体的に、ベトナムが世界の半導体市場におけるステークホルダーの一員となるべく本気で取り組んでいる姿勢が印象に残りました。

今回のSEMIベトナム半導体戦略サミットは、以下のスポンサー企業からのご支援により、盛況のうちに終えることができました。この場を借りてお礼を申し上げます。

Premier Sponsor

FAXMAX Logo

 

Gold Sponsors

CNS logo

M+W Group

 

Sponsors

advantest logo   Fab Finder logo        Lam Research logo
NXP logo    QAM logo   

(初出 SEMI Global Update 2014年10月号)