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ニシータ・ラオ 2020年2月12日

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今日のモバイルデバイスは、10年前に想像していたものより小型になり、電力効率に優れ、機能も充実しています。ユーザー機能がさらに向上しているモバイルデバイスは今や至るところで使用され、デジタル世界や物理的環境でコミュニケーションするうえで主要なモノに急速になりつつあります。現在のモバイル機器への依存がもたらす意図せぬ副作用は、人々の注意を散漫にさせることです。

業界の大きな動きは事態を好転させるでしょう。センサーの小型化や効率化によって魅力的な新機能が提供され、大気や水質の監視、食品に含まれる可能性のある毒素の評価、個人の健康状態の分析などが可能になりました。同時に、新しい材料と製造プロセスによるフレキシブルハイブリッドエレクトロニクス(FHE)の実現、他の電子部品との統合、より効率的なエネルギー生産と消費、広範なワイヤレス接続などが、次世代のデバイス開発で実現しています。未来のモバイルデバイスにどのようなことが期待できるのでしょうか。そして、私たちがモバイルデバイスに管理されるのではなく、モバイルデバイスをどのように管理すればよいのでしょうか。

2月24日から27日にカリフォルニア州サンノゼのDoubleTree by Hiltonで開催されるFLEX | MEMS & Sensors Technical Congress (MSTC) 2020で、25日に基調講演「The Art of the Possible」を行うMojo Visionのエンジニアリング担当バイスプレジデント兼CTOで同社の共同創設者でもあるMike Wiemer博士に、SEMIのNishita Raoがインタビューを行いました。

FLEX | MEMS & Sensors Technical Congress

SEMI:Mojo Visionは、人とモバイルデバイスの相互関係について独自に研究されていますが、なぜこれが重要なのでしょうか。

Wiemer:モバイルデバイスは私たちが必要としている情報へのアクセスを可能にし、生活の多くの面を改善してきました。一方で、デバイスは私たちの人間関係や環境にマイナスの影響も与えています。私たちは、未来のモバイルコンピューティングプラットフォームでこの状況を改善しなければならないと考えています。より快適な未来に向けて、デバイスは私たちの生活の質を改善する情報にアクセスできるようにしながら、機械中心ではなく人間中心で取り組む必要があります。Mojo Visionは、この課題を克服するために独自の調査研究を行い、対処法を検討しています。

SEMI:モバイルデバイスの小型化、効率、機能向上に関する技術トレンドについてお聞かせください。

Wiemer:低消費電力センサーの小型化によって、バッテリー充電で長時間動作する多機能小型モバイルデバイスが実現しています。スマートウォッチが良い例です。ほんの数年前まで、スマートウォッチは手首に巻く小さなスクリーンにすぎませんでした。今ではGPS、心電図などの健康管理機能、セルラー無線インターフェースがすべて同じフォームファクターに搭載されています。

このトレンドが続くにつれ、デバイスは小型化・パーソナル化するとMojo Visionは予測しています。当社のソリューションで、インビジブルなパーソナルデバイスの新たなトレンドが形成されるよう努めています。

SEMI:Mojo Visionの「Invisible Computing」というコンセプトはどういったものですか。

Wiemer:当社のInvisible Computingというビジョンは、ウェアラブルデバイスはインビジブルで、より多くの人との交流を促すべきだという考えに基づいています。これらのウェアラブルは周囲から気づかれず、ユーザー自身の邪魔にならないものでなければなりません。このビジョンを実証しているのが、当社のMojo Lensです。これはフルディスプレイとセンサーを搭載したコンタクトレンズです。

 

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Mojo Lens:独自のマイクロエレクトロニクスや世界で最も高密度なマイクロディスプレイを用いてデジタル画像と情報をシームレスに重ねるコンタクトレンズで、拡張現実(AR)機能を搭載している

今日、モバイルデバイスは、通知のボリュームや頻度が増えていますが、このようなことはあってはならないと思います。Mojo Lensは、私たちが日常生活を送り、他の人々と自然に交流しながら、拡張現実を享受できるよう、関連性の高いコンテンツを配信してくれるインビジブルデバイスです。当社はInvisible Computingが人とデバイスの関係を変え、ユーザーに強大な力を与えてくれると考えています。

SEMI:Mojo Lensについてもう少しお話を伺えますか。

Wiemer:Mojo Lensのベースとなっている技術は、ナノLEDディスプレイ、無線通信、センサーです。Flex技術が統合されたこのコンタクトレンズを装着すれば、重要な情報が提供されます。Mojo Lensは情報の提示や抑制が可能で、それによって他のデバイスに頼らなくてもよくなります。

現在のスマートウォッチやスマートフォンは、自律的な判断を下すのに十分な情報を持っていないためイチゼロでしか判断できませんが、Mojo Lensはユーザーの行動文脈を理解します。Mojo Lensがユーザーの行動を理解できるのは、Invisible Computingのプラットフォームに基づいているからです。Mojo Lensは、ユーザーが会話をしているか、運転中か、コーヒーを飲んでいるかを認識し、それに応じて情報に反応します。

例えば、Mojo Lensはリアルタイムの翻訳者の役割を果たすことができます。私が理解できない言語で誰かが私に話しかけてくると、「字幕」が表示されるのです。92%の米国人は、日々デバイスからの通知に会話を中断させられているというデータもあります。ゆえに、優先順位付けが可能になれば、個々の生産性を向上できます。さらに重要なのは、周囲の人々とのつながりの質を改善できるということです。

 

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Mojo VisionのマイクロLEDプラットフォーム:14,000ppiを超える世界記録的なピクセルピッチと200Mppi2を超えるピクセル密度を備えた、ダイナミックで動的なコンテンツ向けの最小かつ最も高密度なディスプレイ

SEMI:FLEX|MSTCの参加者にWiemerさんの講演からどのようなことを得てもらいたいですか。

Wiemer:人々が課題に取り組むスピードが年々上がっているように感じます。宇宙旅行や自律運転、電気自動車、代替エネルギー、量子コンピューティング、長寿化、食糧生産の増加、脳とコンピュータのインターフェース、AR/VRなど、取り組まなければならない重要な課題が多くあります。これらの課題はすべて実現不可能で非現実的に見えますが、対処できるフレームワークが用意されれば状況は変わります。興味深いことに、これらのフレームワークは必ずしも新しいものではありません。むしろ、既存のテクノロジーと機能を基盤としています。

MEMSセンサーやFHEがその好例です。スマートテキスタイルやフレキシブルディスプレイ、生物学的センサー、小型レーダー、MEMSセンサー、FHE技術は不可欠な構成要素です。今日、私たちが想像できる大きな課題の多くは、現在のMEMSとFHEの技術を想像力に富んだ新しい方法で積み重ねることによって解決されるでしょう。ではその後はどうするか。読者の皆様には、技術ソリューションから始めるのではなく、まず取り組むべき課題を定義し、次に技術を定義するよう勧めたいと思います。

 

Mike Weimer氏

Mike Weimerは、複数の事業を手掛ける起業家で、複雑なシステム開発/統合における科学技術のリーダーとしての実績を備えています。CTOとしてMojo Visionを共同設立する前、Weimer氏は高効率太陽電池メーカーのSolar Junctionを共同設立し、社長を務めていました。同社でWeimer氏のチームは、太陽電池のエネルギー効率で世界記録を2度更新しました。

Solar Junctionを経て、Weimer氏はNew Enterprise Associate(NEA)に在宅起業家として務め、新規投資の調達、投資先企業の事業や資金調達戦略の策定を支援しました。Weimer氏はStratio社の取締役ならびにスタンフォード大学のアクセラレータープログラム「StartX」の顧問でもあり、同大学で電気工学の理学士号、理学修士号、博士号を取得しています。

Mojo Visionのウェブサイト
https://www.mojo.vision/

MEMS/センサーのサプライチェーンに興味のある方は、MEMS & Sensors Industry Groupにご参加ください。MEMS/センサー業界の専門家が共通の課題や機会に取り組み、業績の促進を支援するSEMIの技術コミュニティです。
https://www.semi.org/en/MSIG

 

semi | MEMS & Sensors Industry Group

Nishita RaoはSEMIの技術コミュニティのマーケティングマネージャーです。