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新しいSEMI PVスタンダードが発行

James Amano, Director, SEMI International Standards

SEMIスタンダードPV委員会は2007年に初めて組織化されましたが、今ではSEMIスタンダードプログラムの中でも最も活発に活動している委員会の一つとなっています。これまでに既に15のスタンダードを開発・出版していますが、本年2月に新たに下記3つのスタンダードが発行されました。今日、PV産業界においてSEMIスタンダードプログラムの価値は高く評価されつつあり、これら新規スタンダードに加えて既存のSEMIスタンダードが、経済的優位性のあるエネルギー源としての太陽光発電のポジション確立に役立つものと期待されます。

  • SEMI PV13-0211
    Test Method for Contactless Excess-Charge-Carrier Recombination Lifetime Measurement in Silicon Wafers, Ingots, and Bricks Using an Eddy-Current Sensor
  • SEMI PV14-0211
    Guide For Phosphorus Oxychloride, Used In Photovoltaic Applications
  • SEMI PV15-0211
    Guide for Defining Conditions for Angle Resolved Light Scatter Measurements to Monitor The Surface Roughness and Texture of PV Materials

さらに、下記技術情報についてもSEMIウェブサイトのSEMIスタンダード出版物のページより近日中に入手可能となる予定です。

  • SEMI AUX019-0211
    Research Report for an Interlaboratory Study of SEMI PV1 (Test Method for Measuring Trace Elements in Silicon Feedstock for Silicon Solar Cells by High-Mass Resolution Glow Discharge Mass Spectrometry (GDMS)

以下に、新規出版されたSEMIスタンダードの一つであるSEMI PV13-0211 "Test Method for Contactless Excess-Charge-Carrier Recombination Lifetime Measurement in Silicon Wafers, Ingots, and Bricks Using an Eddy-Current Sensor"についてご紹介します。SEMI PV13-0211は国際分析評価法タスクフォース (International Analytical and Test Methods Task Force) によって2009年より開発活動が始まり、3度にわたる内容の見直し、投票を経てPV委員会の承認を得ることができました。

渦電流法を用いた過剰再結合キャリアライフタイム (eddy-current excess-carrier-recombination lifetime) 測定スタンダードであるPV13-0211は、半導体業界にも関連がありますが、特にPV業界に深い関連があります。本スタンダードには、シリコン原材料や結晶成長のプロセス管理を行うための、インゴットやシリコンブロックに関する測定法が含まれています。また、配線工程に至るまでのシリコンデバイス製造のすべてのプロセス管理に使用できます。

過剰キャリアライフタイムは、シリコン太陽電池の設計および製造において重要な管理パラメータです。今回標準化された予測ライフタイム測定手法はPVの研究機関では長年利用されてきた手法ですが、現状、太陽電池生産現場ではIC分野で開発された手法が広く利用されています。PV13-0211によって、PV業界の主要な研究機関とメーカに広く使用されてきたライフタイム測定手法を集大成することができました。これにより、研究機関で用いられている最先端の測定技術が産業においても広く利用されることになるでしょう。そして、各企業がこの信頼性の高い、他の測定結果とのチェックが可能な手法を活用すれば、シリコン太陽電池生産技術の進歩をさらに加速することが可能になるでしょう。

シリコン太陽電池の主な課題は、コストを下げてPVを各国・地域の電力需給の中に幅広く採り入れてもらうことです。PV13-0211は、シリコン原材料から結晶育成、そして太陽電池セル製造に至るまでの生産チェーンの最適化に、大きな効果をもたらすでしょう。原材料品質の評価や結晶成長の最適化、そして洗浄、エッチング、ドーパント拡散、表面処理、反射防止膜等のウェーハ加工プロセスにおいて、キャリアライフタイムは最も高感度な指標となります。これらの各プロセスをモニタすることによって、高効率な設計およびプロセスの最適化を図ること、そしてより安価なプロセスや材料についてデータに基づいた評価をすることが可能になります。太陽電池生産はまだ始まったばかりです。

キャリアライフタイム測定法のための共通プラットフォームが広く研究機関や産業全体に導入されれば、新規に開発された設計やプロセスがすばやく産業に導入されることになると思われます。本スタンダードはシリコン太陽電池に活用されることを主目的としていますが、半導体産業にも適用可能なスタンダードとなることでしょう。

PV13-0211の主執筆者であるSinton Instruments社のRon Sinton氏は、スタンダードの重要性について、「スタンダードは産業界の装置購入に影響を与えています。したがって、シリコン太陽電池産業の方向性に影響を与えようとするなら、スタンダード開発プロセスに関与することが不可欠です。シリコン太陽電池の研究開発や技術革新がますます産業界で行われるようになった現在、スタンダード活動を無視することは主流から取り残されるリスクを冒すことにつながりかねません。関連の検査装置や測定装置の営業においては、そこで用いられている手法の問題点を議論した上で開発されたスタンダードの存在は極めて有益です」と述べています。

また、Sinton氏はこうも続けています。「研究機関と産業界が別々のツールを使えば、技術革新の流れを妨げることにもなります。研究機関や大学から生まれた新しいアイディアをすばやく生産ラインに実装していくためには産業界と研究開発の間に共通の土台をつくることが必要です。これによって、小さなウェーハ上での開発成果を実生産ラインでの大型サンプルを使った検証が容易になり、量産から得られたデータは、太陽電池の最適化において重要なツールとなります。新しいアイディアをプロトタイプ化する際に産業界が研究機関や大学と同様の最先端の手法を使ってプロセス管理のデータを採取することができれば、そのデータの価値はさらに高まります。」

SEMIスタンダードPV委員会は1年を通じて定期的に世界の各地域で開催されています。SEMIスタンダード開発プロセスに参加するには、www.pvgroup.org/Standardsをご覧ください。またはお近くのスタンダードスタッフにお問合せください。