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2013年の材料・装置市場規模が受ける円安の影響

SEMI市場調査統計部門 ダン・トレーシー

世界半導体市場統計(WSTS)が発表する半導体産業の出荷額は、2013年に過去最高額となる3億5百万ドルを記録しました。さらに、WSTSレポートは、昨年のIC出荷数が9%以上増加し、2013年は出荷数量についても好調な年だったことを示しています。ICの出荷数の成長率は、消費者のモバイル機器需要と強い相関があります。モバイル製品に使用されているICは、32nm、28nm、あるいはそれ以下の微細技術で製造されています。これには、最先端の材料、例えば300mmウェーハや先進フォトレジストなどが必要になります。

この好調な数量トレンドを考えると、SEMIが収集したここ数年の材料データの成長率は、IC出荷数量で観察された9%と比べ、著しく下回っています。先月の再生ウェーハの記事でコメントしたように、プライム電子グレードのバージンウェーハの出荷面積は、昨年0.4%しか成長しませんでした。記事では、この出荷面積の低成長率について要因を説明しています。出荷面積だけでなく、シリコンウェーハの収益も2013年は-13%の減額となり、半導体用シリコン市場は2年連続で二桁のマイナス成長となりました。シリコンの平均販売価格は下がりましたが、2013年にその大きな要因となったのが、円安です。

Source: SEMI, March 2014

2012年の円/米ドル平均為替レートは80円/米ドルでした。2013年には、円安となり98円/米ドルとなります。日本の材料サプライヤは業界で強いポジションを占めており、これにはシリコンが含まれますから、円安トレンドは、米ドルに換算した収益額を減少させてしまします。もうひとつの円安による収益額の減少があったのが、フォトレジスト市場です。ここでも数多くの日本企業が主要なサプライヤとなっており、先進レジスト材料が成長し、IC出荷数も好調であったにもかかわらず、フォトレジストの収益は2013年に減少しました。

Source: SEMI, March 2014

円安は、ついに日本半導体製造装置協会(SEAJ)の半導体製造装置Book-to-Billトレンドにも影響を及ぼすようになりました。SEAJが報告する半導体製造装置(前工程、テスト、組立およびパッケージング他)の米ドル総額が、30%近く減少したのです。この金額は日本円では、前年比14%の減額となります。

Source: SEAJ, March 2014

2013年は、ICの出荷数量の成長率が旺盛な年でした。しかし、低価格化の圧力と円安の影響により、半導体材料および製造装置サプライヤにとっては、収益成長率に関しては厳しい年となりました。こうした要因は前年比のトレンドでは重要になります。

Source: SEAJ

SEMI市場統計の詳細については、www.semi.org/MarketInfoをご覧ください。

(初出 SEMI Global Update 2014年3月号)