クリティカルサブシステムのサービスおよびサポート関連の売上は2020年に23億ドルに達しました。このまま成長すると2025年に35億ドルに達するでしょう。製造装置の設置台数、稼働率、アップグレード・改造頻度が増加したことで、売り上げを数年前には考えられなかった水準へと押し上げられているのです。サービスを提供している企業にとっては良いニュースかもしれませんが、チップメーカーにとっては問題です。
過去5年間にわたり、サービスおよびサポート関連の売上は、年平均10.8%の成長をして、2020年に23億1,600万ドルに増加しました。2021年もさらに11%の成長が予測され、25億7,100万ドルに達するでしょう。今後5年間の年平均成長率は8.3%と若干穏やかになり、2025年に35億ドルを超える見通しです。この成長をけん引しているのは、設置台数の増加、そして装置の複雑化することで装置の稼働維持が難しくなるという2つの要素です。
2020年のクリティカルサブシステムのサービスおよびサポート関連売上で最も大きかったのが真空サブシステムで、全体の47%を占めました。プロセス電源が12%、ウェーハハンドリングが7%、流体管理が7%で、これに続きました。
サービスおよびサポート関連の売上は、スペアパーツ、修理・保守人件費、改造/アップグレードの3つの分野から生じます。サブシステムの供給元から販売されるスペアパーツは全体の2/3以下で、約1/3は不正規のコピー品が購入されています。
近年では、装置メーカーがサービスおよびサポートの支配を強化しており、サプライステムのサプライヤーが直接チップメーカーと仕事をすることは難しくなっています。この装置メーカーの戦略は、コストアップと、場合によってはサービス対応時間の遅延をチップメーカーには招いています。その一方で、装置メーカーは、サービスの提供を装置メーカーに一元化することのメリットが、デメリットを上回ると主張しています。しかし、チップメーカーの多くは、サービスおよびサポートのコストが急上昇していることから、プレッシャーを受けており、また自分たちの選択肢が狭まっているとも感じています。
クリティカルサブシステムのサプライヤーは、チップメーカーと直接つながっていない場合が多く、そのため、チップメーカーがとれる現実的な選択肢は、社内のサービスチームを利用するか、サードパーティのサービスプロバイダーを利用するかということになります。サードパーティのサービスプロバイダーの中には、それなりの規模で優れたサービスを提供しているところもありますが、グローバルに事業を展開できる規模ではないものも多くあります。このような状況から、少なくとも現時点では装置メーカーが優位に立っていることになります。しかし、クリティカルサブシステムのサービスおよびサポート市場の規模と成長見通しを考えると、今後も激しい戦いが繰り広げられることになるでしょう。
クリティカルサブシステムの詳しい情報については、VLSI Researchをお訪ねください。