Panel Level Packaging (PLP) Panel FOUP Task Force (TF) の標準化活動は 2018年5月に開始され、設立以来 40 回以上のタスクフォース会議が開催されています。参加企業は40社を超え、95名のTFメンバーが活動しています。SEMI 3D20で規格化された510mm×515mmと600mm×600mmの2つのパネルサイズに対して、プロセス中の保管容器であるパネルFOUP及びロードポートのスタンダードを開発しました。
タスクフォース活動方針
PLPの円滑な実装を実現するために、FOUPやLPなどの物理的なインターフェースの標準化は、コストパフォーマンスと市場投入までの時間の観点から、関連するサプライヤーによって前提条件と考えています。 いくつかの議論の結果、パネルレベルパッケージ (PLP) パネルFOUP TFはSEMI 3D20スタンダードに基づいて、510 x 515サイズと600 x 600サイズの2 のパネルサイズを前提としています。
パネルFOUPスタンダード構成
Panel FOUPスタンダードは、1つの親文書と4つのSubordinate(子)文書で構成されます。
図1 パネルFOUPスタンダード構成
ユーザーはパネルの特性やパネル/キャリアの重量に応じて、6スロットまたは12スロットを選択できます。
パネルFOUP用ロードポートスタンダード構成
Panel FOUP用ロードポートスタンダードは、1つの親文書と2つのSubordinate(子)文書で構成されます。
図2 パネルFOUP用ロードポートスタンダード構成
パネルFOUPの概要
図3は、ドアの機能を示しています。 図の左側が600mm×600mmのパネル、図の右側が515mm×510mmのパネルです。 ラッチキーとドア吸着パッドの位置は同じで、幅サイズだけが違うことがわかります。
図3 ドア機能
図4は、ボトム部の機能を示しています。図の左側が600mm×600mmのパネル、図の右側が510mm×515mmのパネルです。位置決め機構であるキネマティックカップリング、ホールドダウン、センシングパッドの位置などは各パネルサイズで同じですが、PGVやAGVなどの搬送に使用されるコンベヤーレールのみ、各パネルサイズに合わせて配置およびサイズ設定されています。また、キャリアIDはRFタグをボトム面に横置きで配置することになってます。
図4 ボトム機能
図5は、パネルサポートエリアを示しています。 シリコンウエハーとは異なり、パネルの厚さは多くのバリエーションが予想されます。このため、薄いパネルに対しては、中央支持領域をオプションとして使用することができます。また、パネル支持領域とパネル搬送用のエンドエフェクタ領域とが干渉しないようにそれぞれ配置されています。
図5 パネルサポートエリア
OHT (Overhead Transfer) などのオートメーション フランジの仕様は、各Subordinate(子)文書のAppendixに記載されています。また、最大40kgを超えるパネルFOUPを安定して搬送するために、重心位置も規定しています。
パネルFOUP用ロードポートの概要
パネルFOUP用ロードポートは以下の5つの要求章からなっています。
- 位置決め機構 (キネマティックカップリング) の形状・配置
- ロードポートとFOUP搬送システム間のインターフェース
- ロードポートとDOUPドアとのインターフェース
- ロードポートと装置間のインターフェース
- ロードポートステータスの表示/設置エリア
図6 パネルFOUP用ロードポート
最後に
パネルFOUP及びパネルFOUP用ロードポートのスタンダード初版が出版されましたが、業界からのフィードバックにより、必要に応じて引き続き改訂されます。SEMIスタンダードの開発活動に興味のある方のご参加をお待ちしております。
著者について
小松省二(アクティオンNEXT合同会社)はSEMIスタンダード活動に20年以上携わっています。小松氏は日本のPhysical Interfaces & Carriers 技術委員会のTechnical Architect、Panel Level Packaging Panel FOUP Task Force及びGlobal PIC Maintenance Task Forceのリーダーに従事しています。
本件についての問い合わせ及び、SEMIスタンダードPhysical Interfaces & Carriers (PI&C)技術委員会に関する標準化活動にご参加を希望される場合は、以下にお問合せください。
お問い合わせ窓口
SEMIジャパン Standards & EHS部 菅野
Email: jstandards@semi.org