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2021-05-11

欧州SCIPデータベースの最新動向と問題点セミナーのご紹介

本ウェビナーでは欧州のSCIPデータベースの最新動向と問題点について概説致します。
SCIPとは、Substances of Concern In articles as such or in complex objects (Products)の略語で、SCIP データベースは、欧州の廃棄物枠組み指令(WFD: Waste Framework Directive)の下で確立された成形品そのものまたは複合体 (製品) 内の懸念物質に関する情報のデータベースです。
WFDは、廃棄物の発生と管理が環境とヒトの健康に及ぼす悪影響に対処し、循環経済への移行に不可欠な資源の効率的利用を改善するための措置を定めています。

2015年に採択された循環経済に関するEUの行動計画の実施の一環として、2018年7月にWFDの改正が発効し、欧州化学物質庁(ECHA)は候補リストに含まれる高懸念物質 (SVHC) を含む成形品の情報をデータベース化することが求められました。新規物質はREACH(Registration, Evaluation, Authorization and Restriction  of Chemicals:化学品の登録、評価、認可、制限)の候補リストに定期的に追加されています。

2017年12月、EU加盟国と欧州議会は、WFDの改正に合意しました。事前の影響評価を実施せずに、EUの共同議員は、ECHAの役割を追加しました。REACHの第33条(1)に従って、候補リスト物質を含有する成形品を製造、輸入または供給する企業は、2021年1月5日から、EU市場に上市されたこれらの成形品に関する情報をSCIP(Substances of Concern In articles, as such or in complex objects (Products))データベースに提出しなければなりません。

SCIPデータベースは、2年間の開発段階と、利害関係者との頻繁な激しい議論の後、製品に含まれる懸念物質に関するECHAの届出およびSCIPデータベースのプロトタイプのシステムが2020年10月に稼働を開始しました。2021年3月までに、ECHAはEUの約3,600の法人から約1,000万件のSCIP届出を受け取りました。

SCIPデータベースは、WFDに基づいて確立された成形品自体または複雑なオブジェクト(製品)に含まれる高懸念物質(SVHC)に関する情報のデータベースです。
SCIPデータベースは、REACH規則の認可対象の高懸念物質の候補リスト(CLS:Candidate List of substances of very high concern for Authorisation)中の0.1wt%以上含有する物質を含む成形品に関する情報が、廃棄物段階を含む製品および材料のライフサイクル全体を通して利用可能であることを保証することが目的で、データベース内の情報は、廃棄物事業者や消費者に提供されます。

データベース内の情報は、候補リスト物質を含む成形品を分別し、リサイクルする際の廃棄物業者の助けとなり、消費者が情報に基づいた選択を行い、そのような成形品をどのように最適に使用し、廃棄するかを検討する際の支援となります。全体として、データベースは成形品中のSVHCの漸進的な代替とより安全な代替の開発に貢献しなければなりません。

 

SCIPデータベースの主な3つの目的

  1. EU市場に上市されている成形品の環境負荷物質の代替を支援することにより、有害物質を含む廃棄物の発生を低減
  2. 廃棄物処理業務の更なる改善のための情報開示
  3. ECHAが成形品中の懸念物質の使用を監視し、廃棄物段階を含む成形品のライフサイクル全体に渡って適切な措置を開始することを考慮

以下の成形品の供給者は、ECHAに情報を提供する必要があります。

  • -EUの製造業者および組立業者
  • -EUの輸入業者
  • -成形品のEU販売業者および成形品を市場に出すその他の関係者

ただし、小売業者(輸入業者および/または生産業者である小売業者を除く)および消費者に直接物品を供給するその他のサプライチェーンの主体は、ECHAに情報を提供する義務の対象となりません。
REACH規則第3条 (33) によれば、成形品の供給者とは、 「成形品の生産者または輸入者、成形品を市場に出すサプライチェーンの流通業者またはその他の関係者」を意味します。

 

調和の取れていない移行(国内法への置換え)

WFDで設定されたスケジュールと比較して、SCIPシステムの実施には多くの遅延が依然として問題となっています。 
EU加盟国は、2021年1月5日の届出開始日を見越して、2020年7月5日までにSCIP届出に関するWFD第9条(1)(i)を国内法に置換えする必要がありました。ただし、この置換えはまだ完全には実施されていません。影響を受ける国の成形品供給者への義務の適用を妨げています。
最初の置換えが発生した場合(オーストリア、フランス、ドイツ、オランダなど)でも、法律にはECHAのSCIPシステムを使用するという明示的な要件は含まれていません。

 

循環経済の問題点

多くの場合グローバルサプライチェーンに沿った製品の物質レベルの含有量の決定に伴う課題を考えると、多くのEU企業は、SCIP届出のベースライン規定であるREACH第33条の遵守に苦労し続けています。これは特に複雑な製品の場合です。
つまり、サプライチェーン情報である成形品中のSVHC情報(化学物質名、含有量など)の希薄が一因となっています。循環経済を推進するための再生利用に際し過去の廃棄物情報が一因で新たに発生した廃棄物との混合使用が不可能であり、実質、現時点でのSCIPデータベースはデータ収集の段階であり、SCIPデータベースをまだ効率運用する段階ではなく、将来のための第一歩に過ぎないようです。

 

参考URL

SCIP :
https://echa.europa.eu/scip

Understanding WFD :
https://echa.europa.eu/understanding-wfd

Waste Framework Directive - SCIP database Q&As :
https://echa.europa.eu/support/qas-support/browse/-/qa/70Qx/view/topic/Waste+Framework+Directive+-+SCIP+database

Understanding REACH :
https://echa.europa.eu/regulations/reach/understanding-reach

Candidate List of substances of very high concern for Authorisation :
https://echa.europa.eu/candidate-list-table

LIFE AskREACH :
https://www.askreach.eu/

 

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