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2022-03-30

SEMIが米国下院公聴会で人材開発問題について語ったこと

米国経済が新型コロナウイルスによる景気後退から脱却しつつある中、1つの重大な懸念が未解決のままとなっています。それは、米国経済がその可能性を十分に発揮するために必要な高い技能を持った人材が足りないという問題です。特に米国におけるマイクロエレクトロニクス業界は、技術のある人材が不足しているほかにも、従業員の多様性欠如といった成長を阻む様々な障害に直面しています。

2月15日、連邦議会下院科学・宇宙・技術委員会で半導体政策を幅広く管轄する科学研究・技術小委員会(Science Research and Technology Subcommittee)が、半導体業界の人材問題についてタイムリーな公聴会を開催しました。私はSEMI Foundationの専務理事として、小委員会に対して証言しました。その他に、カリフォルニア大学バークレー校のTsu-Jae King Liu博士、ペンシルバニア州立大学のOsama Awadelkarim博士が証言されました。科学研究・技術小委員会は、議会でも有数の頭脳集団で構成されているため、このように思慮深く綿密な討論に参加できたことは、とても新鮮なことでした。

公聴会は超党派で行われ、議員からは人材問題の規模や範囲、その解決策などについて鋭い質問が出されました。私からは、業界の認知度向上、幼稚園児から高校生までの理数系教育への投資強化、多様性、公平性、受容性(DEI)への注力について必要性を指摘しました。

私は何週間もかけて小委員会のメンバーについて調査し、想定される質問に対して、SEMI Foundationの活動を明確に説明できるよう心がけました。準備した回答では、現在検討中の課題の説明だけではなく、半導体業界の人材育成とDEIの課題に立ち向かうために、全員参加で取り組むことが必要なことを強調しました。

委員会メンバーに対して、SEMIの次の活動について説明致しました。

SEMI Career & Apprenticeship Network(SCAN):アプレンティスシップ制度(訳注:見習いとして企業が雇用し、賃金を払いながら職場で技能を習得させる制度)の米国ネットワークの準備を進めており、SEMI会員企業の求人需要が高い仕事に向けた技術トレーニングを提供する計画です。このコンピテンス基盤型トレーニングプログラムは以下を目指しています:

  • 全国的なアプレンティスシップ制度のネットワークとモデルを構築する
  • マイクロエレクトロニクス業界のやりがいのある仕事について啓蒙する
  • 有能且つ多様な見習いの学生の母集団形成のため、アプレンティスシップ制度開始前の進路を新たに設ける歴史的に阻害されてきた集団を質の高い職業に就かせる
  • 半導体産業が代替教育の提供によって多様な人材プールを活用できるよう支援する。
  • 人材不足への取り組み
  • 市町村、州、国の経済強化

VetWorksSEMI VetWorks:退役軍人および現役軍人が民間職業に移り、マイクロエレクトロニクス業界に就職することを奨励する活動です。SEMI Foundationが制作したVetWorksガイドブックは、退役軍人の雇用を支援するもので、またこの豊富な人材を活用していただくために、ジョブフェア等のイベントをサポートしています。SEMI FoundationはManufacturing Instituteとも同協会のHeroes MAKE America活動を通じて提携しています。

SEMI-米国半導体アカデミー(ASA)パートナーシップ:マイクロエレクトロニクス業界に広がる人材不足を解消し、米国の経済競争力と国家安全保障を維持するために、総合的な人材開発計画の構築を目指すパートナーシップです。SEMIとASAはそれぞれの強みを補い合って、全米での人材教育・訓練計画を強化し、半導体業界の人材プールの拡大・多様化を目指して、職業技能、学位、継続教育に取り組みます。さらに、このパートナーシップは、200以上の大学やコミュニティカレッジと、米国で事業を展開する1,500以上のSEMI会員企業を結びつけることにより、科学的イノベーションや技術の事業化を加速させることも目的としています。

業界イメージ・認知度向上キャンペーン:全国的なメディア・教育キャンペーンとして、業界の仕事を描いたビデオ、技能や興味の評価ツールを提供するオンラインキャリアポータル、職業訓練の情報などを提供しています。

High Tech U:SEMIが長年提供を続けている高校生を対象とした体験型理数系教育プログラムです。さらに多くの学生が参加できるようにプログラムの変更を計画しており、企業規模にかかわらず多くのSEMI会員に参画を働きかけています。

HTU

 

公聴会の後、複数の州政府、労働力開発機関、多数の会員企業など様々な関係者から連絡があり、SEMI Foundationの活動への共感と共に、この種の活動への投資機運が高まることへの期待の言葉をいただきました。私は、SEMI Foundationの熱意が業界内外へと広がっていることに感激しています。

公聴会、SCAN、SEMI-ASAパートナーシップ、その他のSEMI Foundationの活動は、大きな問題に取り組むための重要なステップとなります。SEMI、SEMI Foundation、そして全米のパートナーや会員の皆様は、人材育成の問題に対する認識を高め、人材パイプラインに向けた連邦政府の支出を強力かつ持続的に行うよう提唱する重要な役割を担っておられます。こうした活動への議会のリーダーの支援がなければ、我々の業界、そして我々の経済はその可能性を十分に発揮するは難しいでしょう。

 

著者について

Shari Liss headshotShari Lissは、SEMI Foundationのエグゼクティブ・ディレクターとして、人材開発やEDIの取り組み、また業界のイメージ及び認知度向上キャンペーンを統括しています。テクノロジー業界における教育、キャリア啓発、人材育成の支援に25年以上の経験があります。