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2023-07-19

SEMIチュートリアル「化学物質規制の全般的トレンド」および関連するSEMIのEHS活動

はじめに

昨今、世界各国で環境法規制が強化され、その中でも化学物質規制はますます規制が厳しくなり、多くの企業が規制動向を注視しています。特に最近では、EU REACH PFAS制限案について、SEMI会員企業・非会員企業を問わず、また、半導体および関連産業にとどまらない他の業界団体、さらには官庁から、半導体産業に及ぼす影響を懸念した問い合わせがSEMIに多く届くようになりました。そのため、SEMI内外の関係各位に、欧米の化学物質の管理・規制についての背景・目的およびSEMIの活動を広くご紹介するために、SEMIチュートリアル「化学物質規制の全般的トレンド」をオンデマンド形式にて2023年7月に初回配信開始しましたところ、「欧米の化学物質規制の状況を俯瞰的に捉えることができた。」「PFAS制限案など幅広い情報を入手できた。」「かなり詳しくまとめられており、理解しやすい内容だった。」等大変好評でしたので、9月に第二回目を配信させていただく運びとなりました。

 

SEMI チュートリアル「化学物質規制の全般的トレンド」について

2014年に始まった米国有害物質規制法(TSCA)作業計画を皮切りに、2020年10月14日に欧州化学物質戦略(CSS)である持続可能な化学物質戦略が公表されました。欧米が中心となって規制を開始した半導体産業に大きな影響のある難燃剤を始めパーフルオロアルキル化合物およびポリフルオロアルキル化合物(PFAS)、ビスフェノール類、重金属類などがその対象となっています。さらに欧米を中心とする規制当局による効率的・効果的なビスフェノール類やPFAS類を始めとするグループ化(あるいはクラスベース)規制という取組みも始まっています。欧州でのPFAS規制については世界で先駆けた最大級の規制であり、2040年辺りまでにPFASの段階的廃止を計画しています。

一方、米国でも連邦法のTSCAのPFAS類の少量免除(LVE)申請の廃止から正式届出である製造前届出(PMN)や報告規則の最終規則(2023年9月予定)より先んじて、米国のメイン州やミネソタ州を皮切りに州法によるPFAS報告規則の発効が盛んになってきています。

特にPFASについては国や地域により定義が統一されていないのが現状であり、情報伝達においても非常に分かり辛いものになっています。このような影響はサプライチェーンの川上から川下まで広範囲に亘るため、今後ますますサプライチェーン情報(化学物質の種類・同一性の識別、含有量、危険有害性情報等)を含めた情報の共有化が重要になってきています。

当該チュートリアルでは、上記のような世界に先駆けた欧米の化学物質管理・規制政策の動向を中心に概説しています。広く化学物質の規制動向を把握していただきたい企業の経営層の方を始め、半導体製造(化学物質・材料、部品・装置等)に関わる事業担当の方から環境安全・品質保証分野の方を対象としたセミナーとなっています。第一部では欧米の化学物質管理政策をはじめ、第二部ではEUのPFAS制限案について解説しますので、昨今の化学物質規制を取り巻く状況を網羅的にお知りになりたい方は、是非ご聴講ください。また、今後懸念される化学物質としては、リン酸トリス(イソプロピルフェニル)[PIP(3:1)]を始めとする難燃剤等の難分解性で高蓄積性および毒性を有する(PBT)物質、発がん性、変異原性または生殖毒性(CMR)物質、内分泌かく乱物質(EDC)等による規制強化が始まりますので、各企業はこれらの代替物質の検討やライフサイクルアセスメントの把握が必要になると予想されます。

 

SEMIのPFASに関する過去と現在の取り組みについて

SEMIは半導体製造サプライチェーンにおけるPFASの必須(essential)《あるいは現在避けられない(currently unavoidable)》用途(use)を擁護するため、次のようなアドボカシー活動をしてきました。

  • 2020年7月29日に欧州委員会に対し、PFASの必須用途として半導体関連部品・材料についてREACH 規制管理オプション分析(RMOA)への回答を提出
  • 2020年12月3日に開催された産業界と欧州連合の意思決定者を対象とした英Chemical Watchの会議で、これらの物質の重要な役割と半導体製造プライチェーンにおける「必須用途」について説明

また、現在進行中のSEMIの取組みは、次の2点に集約されます。

1)EU ECHAのPFAS制限案

2023年5月26日にSEMI Europeから意見を提出しました。その中で、ECHAのPFAS制限案に記載のある『半導体製造プロセス』について言及しました。ECHAの半導体製造プロセスに含まれる概念があまりにも狭すぎ、このような範囲では半導体の製造が困難であるという指摘をしています。製造プロセスそのものだけでなく、このような複雑な製造が行われるために不可欠なサプライチェーンやバリューチェーンも含まれなければなりません。単なる適用除外だけでなく、半導体製造プロセスに関わる適切なPFAS代替物質が存在しない中、以下のような包括的な適用除外を要求しています。

・プロセス化学物質・半導体製造装置・半導体製造インフラ・半導体製造支援装置・半導体デバイス

2)米国州法によるPFAS報告規則、米国連邦法によるPFAS報告規則

ミネソタ州のPFAS規制、PFASの使用削減を推進するための北東部廃棄物管理職員協会(NEWMOA)PFAS防止モデル法案に対する意見書を提出しました。PFAS 少量免除(Low Volume Exemptions)廃止に対する意見書を提出予定です。

 

SEMIのEHS活動

SEMIは半導体製造に関わる材料・部品・装置を扱う企業を中心とするグローバルな工業会です。世界で2,500社以上、国内350社のSEMI会員が活動にかかわっています。中でも、化学物質規制等に対応したEHS活動は、SEMIにおいて、重要な取り組みの1つと認識しています。SEMIは、各種法規制ごとにグローバルにワーキンググループを構成し、国内外問わずSEMI会員であれば、これら活動に参加が可能です。SEMIは、個社では解決できない問題や課題について、複数社で集まり、皆で解決を導くプラットフォームを提供しています。各ワーキンググループでは、対象の化学物規制に関する情報の収集や調査、協議をすることで、法規制が正式に出る前にグローバルな業界団体SEMIとして規制内容の変更や特定部位への使用おける免除を求める意見書を作成し、規制当局へ提出することで、業界へのインパクトが少なくなるよう働きかけます。法規制を施行する側は必ずしもあらゆる業界の状況を把握しているわけではないので、業界団体の意見を伝える事はとても意義があると考えています。

グローバルワーキンググループの詳細については、以下をご参照ください。
EHS&S Working Groups | SEMI

また、こうした活動についてのお問い合わせ、参加希望につきましては、SEMIジャパン スタンダード & EHS部(jstandards@semi.org)までお問い合わせください。

 

SEMIチュートリアル「化学物質規制の全般的トレンド」

申込締切: 2023年8月28日(月)17:00
動画配信期間:2023年9月1日(金)~ 10月31日(火)
参加費 : SEMI会員 11,000円、一般 22,000円(消費税込)

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