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2020-10-02

物差しより高機能:ToFセンサーでソーシャルディスタンスを測る

今年の初め、新型コロナウイルスが世界中で流行をはじめると、公衆衛生当局は、ソーシャルディスタンスをとることが、感染拡大の抑制には最も効果的があると発信しました。パンデミックが何ヶ月も続いている今でも、ソーシャルディスタンスとマスク着用の組み合わせが、感染を防ぐための最善策であることに変わりはありません。

 

2020年320日になると、米国の東西海岸にあるカリフォルニア州のギャビン・ニューソム知事とニューヨーク州のアンドリュー・クオモ知事が州を閉鎖し、他の州もすぐにそれに追随しました。食料品店や金物店、薬局などの限られた業種だけがエッセンシャル・ビジネスとして営業を継続することが許可されました。しかし、場所にもよりますが、ソーシャルディスタンスのきちんとした対策がとられるまでには、その後、数日から数週間がかかりました。店の床に6フィート間隔で貼られたテープは、買い物客がお互いの距離を保つのには役立ちます。しかし、小売店、ジムなどの環境でソーシャルディスタンスを測るには、もっと正確で信頼性の高い方法がないでしょうか?

 

Chirp Virtual MSEC 2020 Promo

TDKグループ企業であるChirp Microsystems社の創業者兼CTO David Horsley氏はそう考えており、同社はまさにこのための技術を開発しています。Horsley氏は、1014日に初のバーチャル開催となるMEMS & Sensors Executive Congress(MSEC)2020の基調講演「超音波ToFセンサーによるウェアラブル・ソーシャルディスタンス・ソリューション」で詳細を語ることになっています。同イベントの会期は2020106日~8日、および13日~15日です。MSEC 2020への登録はこちらから。

 

Horsley氏にこのセンサーについてお話をうかがいました。

 

SEMI:Chirp MicrosystemsがToFセンサーでソーシャルディスタンスを保つために提供しようと思いついたきっかけは何だったのでしょうか?

 

Horsley氏:人と人の距離を測るソーシャルディスタンス・タグの問い合わせが企業から来はじめたのは、半年ほど前です。当社は数年前からバーチャルリアリティやロボット用のMEMS超音波飛行時間(Time of Flight:ToF)センサーを提供していたので、当社の名前は知られていました。それで、各社とも当社なら電力が限られたデバイスにも、同じような低消費電力の距離測定精度を提供できると考えたわけです。

 

SEMIChirp Microsystemsの技術に基づいたソーシャルディスタンス・タグを顧客はどのように使用しているのでしょうか。

 

Horsley氏:顧客は当社の超音波ToFセンサーを使って、物流センター、工場、石油・ガス生産などの作業者が身につけるウェアラブルタグを設計しています。このタグは、他の作業員との距離が2メートル未満になると作業員に警告を発し、ソーシャルディスタンスを確保するようにします。

 

当社のToFセンサーは、個人情報を記録せずに接触確認にも対応できるため、GoogleAppleなどの企業が提供する接触確認アプリに比べて大きなメリットがあります。彼らのアプリはスマートフォンにすでに搭載されているBluetooth Low EnergyBLE)を使用しているため、ユーザーは位置情報サービスを有効にする必要があります。その結果、あなたのGPS位置情報が記録され、プライバシー上の懸念が生じるのです。

 

Chirp image

 

BLEは他のレベルでも問題があります。当社のToFソリューションが1センチの精度を提供しているのに対し、BLE1メートルの精度しか提供していないのです。BLE1メートル以内の精度では、2メートルのしきい値を越えたことをリアルタイムで知らせることができません。スーパーマーケットのレジの列にいると想像してみてください。BLEは他の人があなたの近くにいることを教えてくれますが、後ろに並んだ買い物客があなたから2メートル離れているのか、1メートル半しか離れていないのかを教えられる解像度がありません。また、空気を媒体にしていないため、多くの誤検知が発生します。例えば, あなたと相手の間がパーティションや壁によって仕切られている場合も、二人が23メートル以内にいる場合, あなたの携帯電話のソーシャルディスタンス・アプリは接触を誤登録します。

 

SEMI:大学キャンパスやテーマパークなど、他の環境の顧客とも商談はありますか?

 

Horsley氏:当初から、MEMS超音波は非常に汎用性が高いと考えていました。低消費電力、小型サイズ、また当社でイネーブリング・ソフトウェアも提供していることによる使いやすさから、さまざまな種類のアプリケーションに対応できると期待していました。45つの垂直市場で採用されたことで、私たちは市場での重要な実地検証を経験しているところです。

 

COVID-19が2021年の前半に終了することを誰もが望んでいます。ソーシャルディスタンスへの注目が薄れつつある中、当社は現在の市場での顧客拡大と同時に、新たな市場を開拓するための準備を整えています。

 

Chirp MicrosystemsとTDK InvenSenseは、MEMS & Sensors Industry Group® (MSIG)の長年のメンバーでありす。MSIGは、既存市場と新興市場におけるMEMSとセンサーのサプライネットワークを結びつけ、メンバーの成長と繁栄を可能にするSEMI技術コミュニティです。MSIGのメンバーシップが貴社のビジネスにどのような違いをもたらすかについては、今すぐお問い合わせください。

 

Chirp SEMI MSIG lockup logo

 

David A. Horsley博士は、TDKグループのChirp Microsystems Inc.の共同創立者でありCTOです。Horsleyは、カリフォルニア大学デービス校の機械・航空宇宙工学の教授であり、カリフォルニア大学バークレー校の機械工学の非常勤教授でもあります。2004年からは、MEMS研究に特化した国立科学財団の産学共同研究センター(I/UCRC)であるバークレー・センサー・アクチュエータ・センター(BSAC)の共同ディレクターを務めています。Horsley 氏は全米科学財団の CAREER 賞の受賞者でもあり、これまでに 150 以上の科学論文を執筆または共著し、20 以上の特許を保有しています。