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2021-05-17

多様な企業のサプライチェーン参加で、強固な半導体産業実現へ

新型コロナウイルスが引き起こしたパンデミックによって、半導体サプライチェーン企業の多様性が、これまで以上に重要であることが明らかになりました。そのために私たちは、利用可能なすべてのリソースを活用し、あらゆる機会を捕らえる必要があります。2021年は世界的なチップ不足で始まりましたが、従来のサプライチェーンが生産能力の限界に達しているにもかかわらず、生産歩留まりを向上させる競争が止むことはありません。このような技術やサプライチェーンの問題を解決するためには、世界中の英知を結集した総力戦が必要です。残念ながら、半導体サプライチェーンを見渡すと、いかなる理由にせよ、経営陣に多様性のあるサプライヤーは多くありません。これは半導体業界にとってどのような意味を持つのでしょうか。それはまるで、片手を縛られながら仕事することを求められているようなものと言えるでしょう。

 

サプライヤー・ダイバーシティ

サプライヤー・ダイバーシティとは、組織内で利用する製品やサービスの調達において、経営陣に多様性のある企業を受け入れるための戦略です。多様性グループが何であるかは各地域の法律よって異なりますが、多くの場合、女性や国内の少数民族などの過小評価グループ(国の人口比率よりも小さな割合しか含まれていないグループ)が当てはまります。現在、多様性のある企業として認定されるには、企業の所有、運営、管理に携わる人の51%が過小評価グループによって占められる必要があります。サプライヤー・ダイバーシティは、多様性の状況に応じて入札基準を下げたり、発注を決めたりすることではありません。サプライヤー・ダイバーシティが正しく実施されれば、結果として、その企業のアイデアと競争力を高めることになります。

サプライチェーンの多様化により、競争を通じてプロセスを改善するイノベーションの流入にも期待できます。新しい市場に参入する多様性のある企業は、独自の視点を持ち、大規模な多国籍企業が見落としている研究開発の問題に焦点を当てることがしばしばあります。半導体産業に参入することで、地域の中小企業はすでに市場に存在するものから学ぶことで、これまで考えられなかった新たなアイデアを提供することも可能になります。さらにこうした企業は、プロセスのカスタムソリューション提供にも柔軟に対応できるでしょう。

多様なサプライヤーが新たに加わることは、すでに負担がかかっている供給基盤を補う生産能力が追加されることを意味します。もし、現在のサプライヤーが「生産能力に余力が無い」と言っているのであれば、手を広げるべきタイミングかもしれません。 多様性のあるサプライヤーは、「スケールアップが苦手だ」という固定観念は持たないでください。多様性を認定された数十億ドル規模の企業が、既存の半導体サプライチェーンに世界クラスの規模、ソリューション、能力をもたらしている例は数多くあります。単発の試作から大規模な製造まで、多様性のあるサプライヤーは様々なスキルセットを提供できます。

多様性のあるサプライヤーを開拓することは、イノベーションの加速や生産能力拡大に加え、他にも多くの利点があります。

  • 認証された企業群で構成されるサプライチェーンを利用する場合、政府の税制上および契約上の優遇措置があります。
  • 2020年には、多様性や企業の社会的責任(CSR)に対する社会の認識が高まっています。多様性の拡大は、ステークホルダーの期待に沿うものです。
  • 優れた顧客サービスを提供する非上場企業は、上場企業よりも煩雑な手続きが少ない場合があります。

 

行動を起こしましょう

サプライ(チェーン)とデマンド(需要)の間にギャップを感じているのであれば、できることはたくさんあります。もし、あなたの会社が精密製造分野の多様性のある企業であれば、半導体業界への参入をぜひ検討してみてください。半導体産業については、あなたの会社の多様性を認証したNGOから詳しい情報が得られるでしょう(SEMIはこうしたNGOと連絡を取っています)。

もしあなたの会社が、入札プロセスにおいてより広く、より包括的なグローバルネットワークを構築したいと考えているのであれば、他の選択肢もあります。まずは、自社のサプライヤー・ダイバーシティ・プログラムを立ち上げることから始めましょう。既存のサプライチェーンを精査してみると、既にパフォーマンスの高い多様なサプライヤーと取引している可能性もあります。高い基準と公正な入札を維持しながら、多様なサプライヤーを積極的に参加させることで、彼らは競争しながらビジネスを進めていくでしょう。

 

製造業のオーナーシップの多様性 

2018年、SEMIのメンバーであるApplied Materials社、Lam Research社、東京エレクトロン、Intel社は、半導体業界における多様なサプライヤー企業を増やすために活動するスペシャルインタレストグループを結成するアイデアをSEMIに持ちかけました。その結果、SEMI MOD(Manufacturing Ownership Diversity)が設立されました。SEMI MODワーキンググループは、半導体メーカー、OEM供給先、部品メーカー、NGOなどで構成されており、半導体業界におけるサプライヤー・ダイバーシティを定義するための共通基準を策定し、成功事例を提供することを目的としています。すべての企業が歓迎され、ベストを尽くすことが求められていますが、ここでは多様性のあるサプライヤーの機会に焦点を当てたいと思います。早くから参加している事例では、Intel社とApplied Materials社が2019年からサプライチェーンに導入している、経営陣がマイノリティ中心のHeateflex社が挙げられます。

今こそ私たちの業界は、多様性のある企業を含む、あらゆる有能なサプライチェーンパートナーを見つけ、招待し、育成するための積極的なアプローチをとるべきです。私たちは、多様性のある企業にビジネスの機会を開いていることを明確にしなければなりません。サプライチェーンの多様性を高めることは、生産能力の問題を解決するだけでなく、技術革新やコスト削減を促進し、企業が新たな機会を得ることを可能にし、共通の企業価値を持つ企業を結びつけることにもつながります。
私たちのメッセージはシンプルです。「一緒に取り組みましょう」

半導体業界は「ビジネスにオープン」であり、競争上の優位性をもたらす多様性のあるサプライヤーを求めています。MODの詳細については、SEMI Foundationの下にあるSEMI Manufacturing Ownership Diversity (MOD)(https://www.semi.org/en/workforce-development/semi-foundation/manufacturing-ownership-diversity)をご覧ください。