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2021-07-28

ペナン:東洋のシリコンバレー

マレーシア半島部の北西部沿岸に位置するペナン州は、世界の電子機器製造分野ではわざわざ紹介する必要もない地域です。マレーシア統計局(DOSM)と国連商品貿易統計データベースからのデータによると、ペナン州は、面積1,000平方キロメートル強、人口180万人強という規模にもかかわらず、2019年には世界の半導体輸出額の推定5%を占めています。

ペナン州が昔からの港湾経済から東洋のシリコンバレーへと変貌を遂げたのは1970年代のことです。マレーシア初の自由貿易地域が設立され、8社の多国籍企業が重要な投資を進めました。先駆的な投資を行ったIntel Corporation、Hewlett Packard(現Keysight TechnologiesおよびAgilent Technologies)、Robert Bosh、AMD、Litronix(現Osram Opto Semiconductors)、日立製作所(現ルネサスエレクトロニクス)、クラリオン(現在はペナンより撤退)、National Semiconductor*は、周辺産業の強力なエコシステム発展の火付け役となり、ペナン州が海外製造の重要拠点としての地位を確立する基盤が形成されました。

Invest Penang logo現在、ペナンには350社以上の多国籍企業が進出しており、それを3,000社以上の中小の製造関連企業が支えています。ペナンが電気電子製造拠点として繁栄するにつれ、現地の人材プールには豊かなビジネスインテリジェンスと技術的経験が徐々に蓄積され、テクノロジーのメガトレンドに対応した頑強なサプライチェーンの発展が可能となりました。これによってペナンは、低コストの製造拠点として始まったペナンの電気電子産業を、バリューチェーンの上流へと押し上げる投資に集中できたのです。その結果、同地では近年、川上の技術に関連した高付加価値な役割への投資が急増しています。これには、研究開発、設計および知識ベースのソリューション、川下の高度な製造およびテスト、さらにはグローバルビジネスサービス(GBS)やセンターオブエクセレンス(CoE)など、高付加価値機能への川上の技術関連投資が急増しています。

グローバルな電気電子バリューチェーンにおけるペナンの重要性が高まっていることは、近年の安定したレジリエントな輸出実績が証明しています。2014年から2019年にかけて、ペナン州の電子電気輸出は年平均12%の成長を続け、2,100億RM(510億米ドル)に達しました。また、医療用を含む専門・科学・制御機器のハブとしても浮上しており、これらの製品の輸出は過去5年間に年平均15%の成長を示し、2019年には230億RM(60億米ドル)に達しました。

2014年以降のペナンの年間輸出総額の77%から82%を電気電子製品ならびに専門・科学・制御機器が占めており、マレーシア全体の両分野の輸出額の50%にあたります。

さらに印象的なのは、パンデミックによる混乱にもかかわらず、ペナンの総輸出額は2020年も増加を継続し、前年比7%増の3,100億RM(750億米ドル)に達し、2021年1月と2月には、半導体に対する世界的な需要に牽引されて、さらに前年同月比14%増となりました。

 

先進的な製造業の投資先としての選択

ペナン州政府は、ペナンの産業をバリューチェーンの上流に移動させる取り組みの一環として、インダストリー4.0やサステナブル投資の実施に強くコミットしている企業の誘致を重視しています。こうした努力が実を結び、ペナン州は先進的な製造業の投資拠点として注目されるようになりました。

ペナンでは、2019年と2020年に承認された製造業直接投資の流入額が310億RM(75億米ドル)に達し、そのうち88%が電気電子、装置、医療技術産業への投資となっています。新規大型投資には、Lam Research、Bosch Group、Ultra Clean Holdings、Dexcom、Smith+Nephewなどがあります。これらの2021年から2023年の間に操業を開始する予定の新規投資と、さらに既存の多国籍企業による拡張計画によって、ペナンの産業をさらに高みへと導き、ペナンと世界のバリューチェーンの統合を深めるでしょう。

 

ペナンにおける最近の主な製造業直接投資

Invest Penang companies


出典:InvestPenangおよび各企業

 

ペナンの恵まれたビジネス環境が自国のテクノロジー企業を育成

ペナンの恵まれたビジネス環境は、海外からの直接投資を呼び込むことに成功しただけでなく、地元で雇用された技術者がテクノプレナーとなって設立した企業が、自身の力で国際的に知られるまでになるというサクセスストーリーを生み出すことにも成功しています。

このような地元の電気電子企業は、特に自動試験装置(ATE)、オートメーション、半導体後工程請負(OSAT)、電子機器製造(EMS)、精密工学、工具などの分野で、エコシステムの中で重要な役割を果たしています。また、過去5年間には、Experior、Oppstar Technology、Skyechipなど、ペナンを拠点とする若くて急成長中の企業が登場しており、世界中の多国籍企業の顧客にIC設計やICテスト設計サービスを提供しています。

 

官民パートナーシップによるペナンの人材育成推進

ペナンにおける戦略的産業の成長を支える上で、強固で熟練した人材プールの開発が不可欠であることを、ペナン州はよく理解しています。官民パートナーシップを通じた、人材開発の協調支援が、ペナンの継続的な成功の鍵となります。この目的のために、州政府はペナン技能開発センター(PSDC)による産業界主導の訓練・教育活動を支援しており、1989年以来、20万人以上の労働者の訓練を支援し、産業界のニーズを満たしてきました。また、州政府は産業界内が協力して、地元の高等教育機関の課程の妥当性について意見を提供するようコーディネートする他、国が運営する奨学金(ペナン・フューチャー・ファンデーション)やSTEM教育の取り組みを支援するために産業界を結集しています。

 

ペナンをグローバル企業の世界的な投資先にするための総合的な取り組み

保護貿易主義、新型コロナウイルスに起因する諸問題、破壊的技術が複雑に絡み合う中、2018年以降、グローバルバリューチェーンの動きが、特にテクノロジー分野において急速な展開を見せています。

ペナン州政府は、地理的に局所化した強力な産業クラスターが、企業がサプライチェーンが途絶するリスクを軽減し、さらには企業の市場投入までの時間を低コストで改善すると考えています。

質の高い投資をペナンに引き寄せるために、ペナン州は3つの重要な戦略に注力しています。

  1. 先進的な製造業の競争力を高めるために、中小企業のインダストリー4.0への移行を促進するなど、ペナンの産業クラスターをさらに強化し、グローバルなサプライチェーンに参入する国産企業をより多く育成する。
  2. 才能ある人材の育成と採用を継続的に推進し、若い世代のSTEM教育への関心を高める。
  3. ペナンをスマートでグリーンな都市にすることに重点を置いて、ペナンの住みやすさを向上させる。

ペナン州政府は、頑強でサステナブルな経済と高い生活水準を備えた、活気に満ちたビジネスと投資の目的地となることを目指し、今後もペナンを総合的に開発することを約束し、「働く、住む、学ぶ、遊ぶ、投資する」ための環境を整えます。

 

InvestPenangについて

InvestPenangは、ペナン州政府の投資促進のための主要機関です。その目的は、国内外からの投資を通じてペナン州のビジネス活動を強化し、継続的に支援することで、ペナン経済の発展と維持を図ることであり、新たな成長センターを生み出すことにあります。InvestPenangは、その目的を実現するために、SMARTペナン・センター(中小企業への支援)、ペナンCATセンター(人材の誘致・確保)、i4.0シード・ファンド(スタートアップ・エコシステムの触媒)などの取り組みを行っています。詳細については、こちらをご覧ください:bitkun@investpenang.gov.my

InvestPenangは、ペナンのサプライチェーンと電気電子エコシステムを促進するために、SEMIをはじめとする様々な業界団体とも密接に連携しています。InvestPenangは、2015年以来、SEMIと協力を続けており、2022年にペナンで開催されるSEMICON SEAを含め、今後もこのパートナーシップを維持していきたいと考えています。