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2021-03-15

フレキシブル・エレクトロニクスのイノベーションに大学生が貢献

血管疾患の新しい治療法、農業生産の最適化、ウェアラブル・デバイスやフレキシブル・ディスプレイの性能向上-2月下旬に開催された第20回となるFLEX Conferenceにおける学生ポスター展示で、フレキシブル・エレクトロニクスを進化させる斬新なアイデアの中から、世界をより良い場所にすることを目指す4人の大学生が、Innovations of the Future賞を受賞しました。

4人の若きイノベーター達が取り組んでいるプロジェクトはどれも、近い将来、私たちの生活に影響を与える可能性のあることが明らかです。彼らの研究は、フレキシブル・エレクトロニクスの製品、デバイス、基礎研究の発展に欠かせないものです。

この賞に応募した17名の学生が作成したポスターは、業界の様々な分野の専門家によって審査されました。ポスターには、フレキシブル・ハイブリッド・デバイスが可能にする幅広いアプリケーションが反映されており、ウェアラブル、医療機器、精密農業などの技術をカバーしていました。

 

Innovators of the Future Award受賞者

Innovators Award Herbertジョージア工科大学のRobert Herbert氏は、論文「Smart and Connected Stent System with Nanomembrane Soft Sensors for Wireless Monitoring of Hemodynamics(ナノ膜ソフトセンサーを備えたネット接続したスマート・ステント*・システムによる血行動態のワイヤレスモニタリング)」で第1位を受賞しました。血管疾患は世界の死亡原因のトップであり、全死亡者数の30%以上を占めます。早期診断と血圧・流量のモニタリングは、その効果的な治療に不可欠です。Herbert氏のポスターでは、低コストで、侵襲性(人体を傷つける程度)が低く、症状をより明らかにするセンサーシステムが紹介されました。このシステムは、誘電性のステントと静電容量式圧力センサーを備えた柔軟性のあるワイヤレス・バイオセンサー・システムを使用します。(*ステントは、血管などの狭窄部を内側から広げる医療器具)

レーザー加工されたステントは、従来の血管用ステントと同様の機械的特性を維持しながら、無線通信のための誘導コイルとしても機能させるために、多層材料を使用しています。ステントとセンサーシステムは、従来のカテーテルを使用して簡単に設置することができます。同氏の発表はこちらで視聴できます。

 

Innovators Award Waiminパデュー大学材料工学部のJose Waimin氏は、農業生産におけるイオン濃度、水分、pH、微生物活性、その他の重要な測定項目をリアルタイムでモニタリングすることで、環境への影響を軽減しながら作物の収量を最適化する方法を示し、第2位受賞者2名のひとりとなりました。

彼の研究は、さまざまなアプリケーションで使用できる低コストで柔軟なセンサーを製造するためのスケーラブルな代替案を提示しました。電極はRoll-to-Roll (R2R)プロセスで製造され、デバイスあたりのコストを非常に低く抑えた高速生産を可能にしています。同氏の発表はこちらで視聴できます。

 

Innovator Award Garakaniビンガムトン大学先端マイクロエレクトロニクス製造センターのBenham Garakani氏は、「Electromechanical Behavior of Flexible Silver Paste and Highly Stretchable Liquid Metal for Wearable Electronics(ウェアラブルエレクトロニクス用柔軟性銀ペーストと高伸縮性液体金属の電気機械的挙動)」という論文でもう1つの第2位を獲得しました。Garakani氏は、高密度ポリエチレン(HDPE)繊維や熱可塑性ポリウレタン(TPU)などの不織布基板を用いて、信頼性が高く快適なウェアラブル・デバイスの製造を改善し、性能と機能性を高める方法を探りました。

彼はまた、HDPE繊維にスクリーン印刷された銀配線と、TPUにステンシル印刷された液体金属(Ga-In-Sn合金)の等温疲労サイクル中の電気機械的信頼性についても調査しました。同氏の発表はこちらで視聴できます。

 

Innovators Award Sivaurapuジョージア工科大学のSridhar Sivapurapu氏は、「Flexible and Ultra-Thin 30µm Glass Substrates for RF and mmWave Flex Applications(RFおよびミリ波フレックス・アプリケーション用の柔軟で超薄型の30µmガラス基板)」という論文で第3位を獲得しました。Sivapurapu 氏のポスターは、電気的性能を維持または向上させながら、フレキシブル・ディスプレイの機械的柔軟性を最大化するという需要の高まりに対応するものです。

彼は、フレキシブルRFアプリケーションでの極薄ガラス基板の実用性を決定する上で、電気的特性と機械的特性の両方に焦点を当て、極薄ガラス基板の110 GHzまでの電気性能をベンチマークしました。また、屈曲性試験中の電気的特性についても検討しました。同氏の発表はこちらで視聴できます。

 

Innovators of the Future賞は、フレキシブル有機エレクトロニクス技術とOTFT材料を開発するテクノロジープロバイダー、FlexEnable社が主催しています。

FLEX Conference 2021のすべてのプレゼンテーションは、2021年3月26日まで、イベントへの登録で閲覧可能が可能です。

Gity Samadiは、FLEX Conferenceの学生ポスター賞の共同議長であり、SEMI FlexTechのプログラムマネージャーです。

 

原文はこちら:https://www.semi.org/en/blogs/technology-trends/university-students-help-shape-flexible-electronics-innovation-at-flex-conference-2021