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ハイジ・ホフマン 2019年8月20日

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この記事は、SEMIスタンダードの重要性をハイライトしたシリーズ第一弾です。

SEMIスタンダードの活動開始から40年以上、SEMIでは、1000番目となるSEMIスタンダード、エナジェティックマテリアルを取り扱うための安全ガイドライン(SEMI S30-0719: Safety Guideline for Use of Energetic Materials in Semiconductor R&D and Manufacturing Processes)の出版を発表しました。物質の予測不能な変化に対応できるような手段を設けることも、SEMIスタンダード活動が取り組むべき挑戦のひとつであり、それがいったん規格化されても終わりではなく、単なる始まりに過ぎません。

半導体業界は、製造設備、装置、および部品を専門的に管理することを学んできました。次のステップとして避けて通れないのは材料です。新しいプロセス材料を使用することで業界の技術革新が進み、より安全な材料の探究を可能にすることが業界の成功に不可欠であることは明らかです。

1000 SEMI STANDARDS & COUNTING

 

Classification Schema

1000番目のSEMIスタンダードは、3つの基準に基づくエナジェティックマテリアルと副生成物を3種類提供します。

  • 危険な発熱(加熱や物理的な衝撃などが引き金となって大量の熱が放出される)
  • 自然発火性(空気に触れると自己着火する)
  • 水反応性(水と接触すると大量のエネルギーまたは引火性ガスが放出される)

これらの副生成物を安全に取り扱わないと、控えめに言っても、製造工場や研究室に悪影響を及ぼす可能性があります。

Energetic Materials Task Forceのリーダーで、Safety Guru社にてプロセス・装置のリスクアセスメントの専門家でもあるエリック・スクラー氏は、実際にあったある奇妙な事件について語っています。清掃作業員が、エナジェティックマテリアルを使用していないプロセスレシピに関連する装置からパイプを取り外しました。チームはそれをシンクに入れ、掃除するために水をスプレーしたところ、パイプが発火してしまったのです。注目すべきことに、それら初期の物質はエナジェティックマテリアルに該当しなかったのですが、製造過程において新たな副生成物として生まれてしまったのです。

 

継続的発展を続けるスタンダード

エナジェティックマテリアルは、スタンダードの新たな分野となっています。その分野は変化しつつあり、さらに多くの物質について革新が起こっています。そのため、エナジェティックマテリアルに関するスタンダードは動的であることが特に重要です。どういうことかというと、すべてのSEMIスタンダードは、設計上、順応性に優れています。ユーザの要求を満たすことがスタンダードのねらいであり、要求に応じて、スタンダードは継続的に改訂を重ねていきます。継続的な材料のイノベーションとともに、このスタンダードは発展し続けるので、一度出版してそれで終わり、ということはないのです。

semi standards logo

 

堅牢な材料サプライチェーンの構築

SEMIスタンダードは、材料サプライチェーンをより堅牢にするための環境を創出し、ビジネスのニーズを維持します。スタンダード自体を守ることがあまりにも面倒であるならば、そのようなスタンダードはビジネスの場面で決して採用されないでしょう。逆に、そのようなスタンダードの存在を守らなければ、人や製造装置は不必要に危害をこうむることになり、イノベーションが遅れることになります。

業界が必要としているのは、実装するのに実用的で、かつ、時間の経過とともに改訂を重ねて最適化されていくような柔軟性のあるスタンダードであることを、SEMIのEnergetic Materials Task Forceメンバーは、早い段階で認識しています。

TFは、スタンダード文書の策定にとって、協調したり、妥協することが、多くの時間を費やすことではありますが、本質的には大切であるということを理解しています。この策定にあたって、TFは、サプライチェーン全体の役割と責任範囲を定義した上で、そこで、潜在的危険性をもつ材料の使用方法に関する情報を全く共有しないことと、独自プロセスレシピに関する全情報を共有することとの間で絶妙なバランスを取りました。

このスタンダードは範囲が広いため、数年がかりで検討が必要でした。エリック・スクラー氏は、次のように語っています。「我々はSEMATECHと共同でエナジェティックマテリアルの安全性についてメンバーの意見をまとめることから始めました。その後、業界の主要メンバーと共に、長きにわたり努力を続けた結果、サプライチェーンのエナジェティックマテリアルに関する課題に対処するための実用ガイドラインを策定することができました。」

sematech logo

 

まだ始まったばかり

ひとつ確実なことは、策定を終えたといっても、このスタンダードが現時点で完全なものではなく、将来のニーズを反映できてはいない、ということです。これが、エナジェティックマテリアルのスタンダードはこのままの状態ではなく、まだ成長過程の初期の段階であるという理由です。主要企業は、このスタンダード活動を今後も継続するでしょうし、それは、将来、材料のイノベーションが可能となり、最終的には、製造工場でのエナジェティックマテリアルによる予期せぬ事故を減らすために、なくてはならないことなのです。

スタンダード文書の開発における可変要素は非常に多く、絶えず変化しています。エナジェティックマテリアルは、SEMIが40年以上にわたり推進してきた幅広いコラボレーションの必要性をさらに拡大する以外のなにものでもありません。エナジェティックマテリアルによってもたらされるリスクはかなりのものですが、一方で、継続的なイノベーションの重要性については議論の余地はありません。この1000番目のSEMIスタンダードを採用しつつ、これを修正する作業は始まったばかりです。

 

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本件についての問合せ:

SEMIジャパン スタンダード&EHS部 柳澤智栄(cyanagisawa@semi.org )