SEMIでは、「EHSS(Environment, Health, Safety and Sustainability:環境、健康、安全、持続可能性)」と呼ぶコミュニティを組織し、新型コロナウイルス感染拡大(パンデミック)の影響に関する情報を共有するため、隔週でミーティングを開催しています。その中の作業部会「EHSS COVID-19ワーキンググループ」は最近、従業員のワクチン接種のために有給休暇を提供した企業の状況や、職場でのワクチン接種実施の可能性等について、調査報告を明らかにしました。
EHSS COVID-19ワーキンググループの調査によると、職場復帰に関する方針を策定している企業や、フルタイムのオフィス勤務やハイブリッド勤務についての従業員の希望を把握するためにアンケート調査を実施した企業もあります。米国のワクチン接種率が上昇するにつれ、一部のSEMI会員企業は、企業のパンデミック対応を管理する州の職場規則がつぎはぎだらけであることに懸念を示しており、職場復帰スケジュールに間に合うように、州の職場規則を更新することを求めています。
調査では、マスク、保護メガネ、フェイスシールド、手袋、除菌用具、検温装置、その他の個人用保護具(PPE)の調達状況についても確認しました。それによると、これらの点に関しては、安定的に調達できているようであり、物資不足や納期の長期化等の報告はありません。
米国疾病管理予防センター(CDC)は、屋外でのマスク着用のガイドラインを緩和し、完全にワクチンを接種した米国人は、見知らぬ人が大勢いる場合を除いて、もはやマスクで顔を覆う必要はないとしています。CDCによる、ワクチン接種を完了している方が安全にできることのリストは、こちらにあります。
最後に、EHSS COVID-19ワーキンググループのメンバーによると、米国のエレクトロニクス業界では、主にサテライトオフィスの従業員が企業の本社に出向くなど、航空機での出張が徐々に再開されているとのことです。こうした出張は、通常、ビジネスにとって「ミッションクリティカル」なものに限定され、上長(ディレクター以上の職位)の承認が求められます。
2月、SEMIジャパンは、日本から中国、韓国、シンガポール、台湾の顧客拠点へ社員が出張する際に企業がとるべき措置を調査しました。その結果、非常に困難な作業であることが判明しました。
- 日本の企業は、出張申請が拒否されるリスクを回避するために、いくつもの書類を提出し(わずかな誤りも含まれないように精査して)、複数の政府承認を得る必要がある。
- 渡航の日時、都市、航空会社は限られています。
- PCR検査、およびインターナショナル・メディカル・グループ(IMG)による検査を含む、渡航前、渡航中、および渡航後の複数回にわたる健康診断の実施も義務付けられています。
- 一部の国では、ホテルでの14日間の検疫滞在が規則となっており、一部のホテルではサービスや食事、その他のアメニティが非常に制限されています。
- 企業は、従業員の位置情報や健康状態を把握するために、複数のアプリをダウンロードして管理する必要があります。
SEMI EHSS COVID-19ワーキンググループへの参加をご希望の方は、SEMI EHSSチーム(EHS@semi.org)までご連絡ください。
危機対応や規制から、環境維持や安全基準に至るまで、SEMIのメンバーは教育を通じてマイクロエレクトロニクス業界を発展させるために、重要な問題に共同で取り組んでいます。SEMIの環境・健康・安全・持続性に関する取り組みについては、ウェブサイトをご覧ください。
Michael Ciesinskiはテクノロジーコミュニティ担当副社長、James Amanoは国際スタンダードおよびEHS担当シニアディレクター、Nishita RaoはSEMIのシニアプロダクトマーケティングマネージャーです。