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2023-07-25

多様性豊かな人材プールを受け入れるために

もし私が企業の求人に応募したとすると、採用者は私のことをサプライチェーンで何十年もの経験がある、中西部育ちのエンジニアとしか見ないと思います。私が、期待されている人物像とは違う、創造的で粘り強く、献身的な問題解決者、あるいは創造的破壊者であることにはおそらく気づかないでしょう。私のような応募者は他にもたくさんいます。それぞれの得意分野でトップに立つプロフェッショナルが、自己のスキルと情熱が最もフィットするやりがいのある仕事を探しているのです。問題は、採用者が私たちを見落としてしまう、あるいは、応募者の中から私たちを見つけられないことにあります。

これまで応募したすべての仕事を覚えているわけではありませんが、応募しなかった仕事ははっきりと覚えています。問題はたったひとつでした。採用責任者が同性婚を禁止しようとするカリフォルニア州提案8号を支援し、多額の寄付をしたことがわかったのです。

これで交渉は決裂です。ラテン系同性愛者の私は、他の人たちが当たり前に享受している権利のために闘ってきました。例えば、私はローズ・ハルマン工科大学の同級生に、彼らが他の学生グループにしているのと同じようにLGBT+(レズビアン、ゲイ、バイセクシャル、トランスジェンダーと、それに当てはまらない性的マイノリティも含めた表現)グループにも資金を出して欲しいと頼んだのですが、断られてしまいました。結局、このグループに直接資金を提供してくれたのは、大学当局でした。家庭を築くまでの道のりも長く険しいものでした。同性婚が合法化されるまでは、入院している妻を見舞うという当たり前なことでさえ、追加の書類を提出しなければなりませんでした。常に例外扱いされていると、自分の居場所を見つけられなくなってしまいます。

​​Imageこのような現実の中で、私は職場で仲間を探し、エグゼクティブの中に私に似たロールモデルを求めるようになりました。他の人の中に自分との共通点を発見し、自分が一人きりではないと知ることがいかに大切なのか、私は知っています。そこで、私はIntelの人事部の協力を得て、Intel Out & Ally Leadership Council(Intel OALC)を設立し、その最初のメンバーになろうと言う勇敢な副社長を見つけたのです。この協議会の目的は、LGBT+のエグゼクティブとアライ(LGBT+を支援する人)のためのコミュニティを作り、行動により認知を促し、LGBT+の同僚が意見を聞いてもらえるようにすることでした。

私には、この活動がLGBT+の従業員にどれほど必要とされるのか、またどれほどの変化を起こせるのかが全く予想できなかったのですが、Intel OALCへの初年度の参加者が目標の20人をはるかに上回る35人に達したのには感激しました。協議会の働きかけにより、Intelの全事業所に性別を区別しないトイレが設置され、従業員とその家族の医療保険を改善してトランスジェンダー医療費の上限が撤廃され、また職場のツールを使って性的指向と性自認の申告を選択できるようなり、すべての従業員がセルフ・アイデンティフィケーションをする方法が確立されました。

世の中では、特に半導体業界では、データや数字が問題になりますから、セルフ・アイデンティフィケーションは極めて大切です。授乳室や祈祷室、性別を区別しないトイレなど、あらゆるものが労働力需要の影響を受けます。需要が高まれば、それに応じて供給も増えることになります。従業員同士がお互いを理解する機会は何であれ、社内の様々なグループに属する従業員が会社に受け入れられていると感じることにつながります。セルフ・アイデンティフィケーションの情報は、お互いの理解を改善し続ける方法を教えてくれます。

私のIntelでの勤務は、これまで信じられないほど心地よいものでした。私が幸運にも一員となったチームの人々は、妻との結婚という私の人生の節目を、シス・ヘテロ(生まれた時に割り当てられた性別と自認する性が一致する異性愛者)の同僚の場合と同じ気持ちで祝ってくれました。やがて、私が声をかけ、LGBT+のアイデンティティを告知したすべてのチームと、打ち解けることができました。私たち家族が娘を養子に迎えたときにも、上司は他の従業員に子供ができた時と同じように、ベビーシャワーを催してくれました。私は当たり前のこととして、Intelでは受容されています。私は私の当たり前が、Intelやこの業界に所属するあらゆるLGBT+の人々にも当てはまってほしいのです。

Intelがセルフ・アイデンティフィケーションを通じてLGBT+従業員数の数値化に努めていることは誇らしく思いますが、データは、出生時に割り当てられた性別を自認する異性愛者と同様の経験がLGBT+の人々には経験できないことを示しています。不公平は残っていますが、私たちが経験や生活について、同僚や業界内で共有できれば、克服することが可能でしょう。

半導体業界は今、転換期にあります。大きな成長が待ち構えています。チップは新時代の石油や金となりました。同時に、労働人口動態も変化しています。Statistaによると、2012年から2022年にかけて、米国のLGBT+を自認する人の割合は、サイレント世代、ベビーブーマー世代、X世代では一定で推移しました。ミレニアル世代では、この割合は5.8%から11.2%へ増加しましています。

しかし、紛れもない変化があったのは、Z世代です。LGBT+を自認する割合が、2020年の15.9%から、2022年には20%近くまで増加しているのです。Z世代とそれに続く世代に、半導体業界(そしてSTEM全般)がキャリアを築く上で安全で、居心地がよく、インクルーシブな場所であることを知ってもらう必要があります。

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2012年から2022年までの米国におけるレズビアン、ゲイ、バイセクシュアル、
トランスジェンダーと自認する回答者の世代別割合

 

新しい連合の必要性 

所属する組織が変化する従業員の人口動態に確実に対応するために、どんなことができるでしょうか?進化するチップ業界の人材需要に適応するためには、今の、そして明日のLGBT+コミュニティに向けて労働文化を改善し、この分野の最高の頭脳を惹きつけるように業界全体をシフトすることが重要です。この問題に力を合わせて働きかける新たな連合体を結成するチャンスを見つける必要があります。

他の多くの業界では、ダイバーシティ&インクルージョンの取り組み、特にLGBT+コミュニティに対する取り組みで、大きく前進しています。業界を横断した企業連携によって、大学やコミュニティ・カレッジへのアウトリーチやLGBT+の人材開発に取り組むことは、効果的な戦略のひとつとなります。こうしたパートナーシップは、業界全体でのLGBT+の可視化とインクルージョンの改善を可能にするでしょう。

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6月にオランダで開催されたアイントホーフェン・プライドに参加する
Proud ASMLのメンバー

 

ASMLは、このような活動の素晴らしい模範となっています。

ASMLのカスタマーサポート・グローバル・プロダクト・オーナーであるDulce Pumareja氏は、次のように述べています。「Proud ASMLでは、(LGBT+の)可視化と認知度を高め、安全でインクルーシブな職場環境づくりに取り組んでいます。先日、私たちは地元アイントホーフェンで初めて開催されたプライド・ウォークという、LGBTIQ+コミュニティへの支援を公に示すイベントに参加しました。地元コミュニティと一緒になることで、公平と受容を求めるメッセージがより強くなります。私たちは、半導体業界におけるインクルージョンの色彩をより鮮やかにし、平等の声をより大きくするために、業界の同業者とも同様の活動をしたいと願っています」

連合を組み、平等のベストプラクティスを正規化することにより、企業はアウトリーチ、リクルート、採用活動の強化に加えて、業界全体のLGBT+インクルージョンに対する認識と企業文化の改善を推進できるのです。

高度に技術的で、やりがいがあり、充実した業界で働く母親の姿を見ながら成長する私の子供たちが、その性自認や恋愛対象がなんであろうと、私と同様に、この業界の一員であるといつも感じていて欲しいのです。半導体業界におけるLGBT+のインクルージョンを推進するための新しい連合に参加したい方は、SEMI.LGBT.Coalition@intel.comまでメールでご連絡ください。

 

著者について

HSAdriana Plattは、IntelのGlobal Supply Equipment and Materialsの契約マネージャーです。Intelのサプライチェーンの様々な分野で役職を歴任し、多様な製品や地域について、Intelの最大手サプライヤーを含めた交渉に精通しています。2016年には、Intelのインクルージョン推進に向けた、LGBT+アウトリーダーやアライを集めたOut & Ally Leadership Council(OALC)を共同設立しました。連絡はLinkedIn経由でお願いします。